1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯科医師・歯科学生におけるインフォームド・コンセントの意識調査研究
Project/Area Number |
10671960
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
北村 中也 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60064341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石村 貞夫 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (60203030)
関根 透 鶴見大学, 歯学部, 教授 (40097316)
藤本 泉 鶴見大学, 歯学部, 助手 (60288115)
佐野 祥平 鶴見大学, 歯学部, 助手 (80162519)
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Keywords | 歯科医師 / 歯科学生 / インフォームド・コンセント / 意識調査 |
Research Abstract |
近年、医学の進歩に伴い医療倫理や生命倫理の問題、インフォームド・コンセントの実践等についての論議が活発に行われ、毎日のようにマス・メディアによってとりあげられている。 この様な社会的傾向は、歯科医療においても全く同様であろうと思う。最近の歯科医療の技術の進歩は目をみはるものがあり、ともすれば、治療の中身が非常に専門的になり、患者や家族が十分に納得せず、理解することが難しくなってきている。そこで、インフォームド・コンセントに関する問題をとりあげ、歯科医師や歯科学生に対しての意識調査を行い、今後の歯科医療を施す上での一助にしようとした。 対象は、全国の主として開業歯科医師と歯科学生である。歯科医師は、一歯科大学の卒業生名簿より、また、歯科学生は本調査の主旨に協力が得られた3校の学生である。調査は作成した調査票を用い、歯科医師は郵送法により、歯科学生は集団面接法にて行った。後に両者の意識の比較ができるように設問を考慮した。 回収され、本調査に使用されたのは、歯科医師432人、歯科学生1019人である。歯科医師数が少ないのは、今回は卒業15年以上としたからである。性別は男性対女性の比が、歯科医師は6:4、歯科学生は7:3であった。歯科医師の約98.8%の者が「インフォームド・コンセントの実践に心掛けている」と回答したのに、歯科学生の44.2%は「不充分である」としている。また、インフォームド・コンセントの法制化には「したほうが良い」が、17%の歯科医師に対し、歯科学生は35.7%も占めていた。カルテの開示には「すべきである」が歯科医師の約4%に対し歯科学生は17%を占めるなど、歯科医療を実際に行っている立場を第三者的に観察しているように思われ、興味深い。今後、さらに例数を増やし、究明していきたい。
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