1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671971
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
和泉 雄一 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (60159803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 孝司 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (40253900)
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Keywords | 歯周病 / 歯肉上皮細胞 / 生体防御 / IL-1 / IL-1ra |
Research Abstract |
臨床的に健康な歯周組織を有する被験者から下顎智歯を抜去する際に角化歯肉を採取し、Keratinocyte-SFM^<TM>で培養した3代目の歯肉角化細胞を実験に使用した。TNF-α(0、10ng/ml)添加の培地で8時間培養した細胞より培養上清および細胞1ysateを調製し、ELISA法を用いて培養上清および細胞lysate中のIL-1α、IL-1βおよびIL-1ra濃度を測定した。次に、TNF-α〔0、10ng/ml〕添加の培地で4時間、8時間培養した歯肉角化細胞から、全RNAを抽出し、RT-PCRを用いて、IL-1α、細胞内型IL-1raのmRNAの発現を検討した。さらに、臨床的に健康な歯肉組織と炎症歯肉を採取し、凍結切片を作製した後、免疫組織化学的に歯肉上皮組織中のIL-1αとIL-1raの発現を検討した。 その結果、細胞内、培養上清中ではIL-1βよりIL-1αが量的に多く産生された。さらに、細胞内、培養上清中にIL-1α、IL-1raの産生が認められ、TNF-αの刺激下では細胞内のIL-1α、IL-1βの産生が有意に上昇したが、IL-1raの産生は変化しなかった。RT-PCRの結果から、IL-1αmRNAおよび細胞内型IL-1ra mRNAの発現が、無刺激の状態と比べ、TNF-αの4時間、8時間の刺激下で増加した。免疫組織化学的には、臨床的に健康な歯肉と炎症歯肉の上皮層には強いIL-1raの発現が認められがIL-1αの発現が認められなかった。 以上のことから、歯肉上皮細胞はIL-1の作用を調節するため、IL-1raを常に産生していることが考えられる。
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