1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671971
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
和泉 雄一 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (60159803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 睦美 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60229771)
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Keywords | 歯周病 / 歯肉上皮細胞 / 歯肉溝滲出液 / 生体防御反応 / 分泌型白血球蛋白分解酵素阻害物質 |
Research Abstract |
培養歯肉上皮細胞を用いて分泌型白血球蛋白分解酵素阻害物質(SLPI)の産生を検討するとともに、歯周病患者歯肉溝滲出液(GCF)中におけるSLPIの動態について検討した。まず、採取した臨床的健康歯肉から歯肉上皮細胞の分離、培養を行った。酵素抗体法により、培養上皮細胞内や細胞表面にSLPIが存在することが確認された。次に、成人性歯周炎患者15名(男性7名、女性8名、平均年齢50.9歳)を対象として、被検部位30部位に対して臨床的診査ならびにDNAprobeによる細菌検査を行い、歯周病罹患部位と臨床的健康部位を各々15部位ずつ選択した。被験部位から採取したGCFの量をペリオトロンにて計測したのち、GCF中に含まれるSLPI量、α1-protease inhibitor(α1-PI)量をsandwich ELISA法で測定し、好中球エラスターゼ(NE)活性をS-2484試薬を基質として測定した。その結果、SLPI量、α1-PI量、NE活性は歯周病罹患部位が臨床的健康部位に比べて有意に上昇しており、プロービング深さと有意な正の相関があった。さらに、α1-PI量、NE活性は臨床的付着レベルと有意な正の相関があった。以上のことからSLPI量、α1-PI量、NE活性は歯周組織の炎症と密接に関連していると考えられるが局所から産生されるSLPIについては明確な結果が得られなかった。また、歯周病罹患部位では阻害物質が多量に検出されているにも関わらず、NE活性を制御することが出来ないことが示された。今後、阻害物質を不活性化する要因について検討する必要がある。
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[Publications] 南 睦美: "成人性歯周炎患者の歯肉溝滲出液中のsecretory leukocyte protease inhibitor(SLPI)とα1-protease inhibitor(α1-PI)の検出"日歯周誌. 41・1. 28-35 (1999)
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[Publications] 楊 秋波: "ヒト歯肉角化細胞におけるInterleukin-1αおよびInterleukin-1 receptor antagonistの発現について"日歯周誌. 41・2. 87-98 (1999)
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[Publications] Yuichi Izumi: "Effective periodontal treatment in a patient with type IIA von Willebrand's disease of a case"J.Periodontal.. 70・5. 548-553 (1999)
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[Publications] Yuichi Izumi: "Influence of different curette insertion dephhs on the outcome of non-surgical periodontal treatment."J.Clin.Pereodontal.. 26・11. 716-722 (1999)
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[Publications] 和泉 雄一: "歯周病における歯肉上皮細胞のはたらき"鹿歯紀. 20(印刷中). (2000)