1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671990
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
波多野 力 岡山大学, 薬学部, 助教授 (50127578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 秀之 岡山大学, 薬学部, 助手 (70253002)
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Keywords | ポリフェノール / ペプチド / タンニン / タンパク質 / 会合 / 相互作用 / 分子間NOE / CDスペクトル |
Research Abstract |
近年におけるタンニンや関連の低分子化合物に関する化学的検討の急速な進展に基づいて,今日,これら天然ポリフェノール類が抗酸化作用や発ガンプロモーション抑制作用,宿主介在性抗腫瘍作用,抗ウイルス作用等,多くの生物活性・薬理活性を有することが,当研究室をも含めた種々の共同研究等により明らかになりつつある.本研究では,こうした活性の物質的基礎を明らかにする研究の一環として,天然ポリフェノール類のべブチドとの相互作用について検討を行っている.本年度はまず,フラバン2量体や単量体と種々のペプチド,タンパク質との相互作用について,主としてUV-VISスペクトル,CDスペ外ルおよびNMRスペクトルを使用し,検討を行った.近年までタンニンを中心とする天然ポリフェノール類は,主としてペプチド中の構成アミノ酸中,プロリンおよびその周辺に対して特に親和性を示すと考えられてきたが,数種のプロリン含有オリゴペブチドについて,ポリフェノールどの分子間NOEの検出を中心にNMRスペクトルの詳細な検討を行ったところ,ポリフェノール類はプロリン残基よりもまずペプチド分子内の疎水性部分に接近することが明らかになってきている.この接近時の挙動についてさらに次のように検討を加えた.ペプチドとしてbradykininを使用し,ポリフェノールとして(+)一catechinを使用した場合,NMRではペプチド分子内のフェニルアラニル残基など疎水性部分にポリフェノールがまず接近すると考えられる分子間NOEが認められたが,引き続きCDスペクトルによる検討を進めたところ,それぞれのコンフォーメーションに影響を与えることなく両分子の接近がおこることが示された.現在,さらにこうした分子間相互作用について検討を進めている.
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Research Products
(1 results)