1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671999
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy & Life Science |
Principal Investigator |
樹林 千尋 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (80057330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 直毅 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (30277264)
青柳 榮 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (30212385)
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Keywords | ヤドクガエルアルカロイド / プミリオトキシンA / プミリオトキシン225F / 不斉合成 / 環外アルケニル基 / パラジウム触媒カルボニル化反応 |
Research Abstract |
中南米の熱帯林中に生息するヤドクガエルの皮膚分泌物から300種以上の微量アルカロイドが検出されている。これらの矢毒アルカロイドは、神経及び筋肉に対し特異な薬理作用を示すことが明かにされているが、現在ヤドクガエルはワシントン条約により入手困難であり、構造決定や薬理研究のために必要な天然からの試料供給がきわめて制限されている。このため、不斉合成による光学活性試料の供給が切望されている現状にある。本研究は、ごく微量で強力な強心及び筋緊張作用を示すことが明らかにされている矢毒アルカロイド プメリオトキシンの不斉全合成を行い、有機合成化学における学術的貢献を果たすとともに、化学合成による薬理試料供給確保を目的として行ったものである。 プメリオトキシンの化学構造は、インドリチジン基本骨格上にZ配置環外アルケニル基を有する点を特徴とすることから、本研究計画では、初めにこのような構造の立体的選択的構築法を検討した。その結果、パラジウム触媒を用いるビニルハライドへのカルボニル挿入反応を適用することにより、インドリチジン環形成ー環外アルケニル基構築を1段階で立体選択的に達成できることが判明した。この反応を鍵反応として、ホモプミリオトキシン223G、プミリオトキシン225F、プミリオトキシンAの不斉全合成を達成した。前2者のアルカロイドは共に最初の全合成であり、この合成によって従来不明であった本アルカロイドの絶対配置を確定することにも成功した。これらの成果は学会講演会およびシンポジウムにおいて発表したほか国際誌に論文として発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Hirashima,S.Aoyagi,C.Kibayashi: "Total Synthesis of (+)-Pumiliotoxins A and225F"Journal of the American Chemical Society. 121巻・42号. 9873-9874 (1999)
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[Publications] C.Kibayashi,S.Aoyagi: "Development of New Synthetic Methods and Strategies for the Total Synthesis of Pumiliotoxin A Class Alkaloids"Jounal of Syntheic Organic Chemistry,Japan. 57巻・11号. 981-992 (1999)