1999 Fiscal Year Annual Research Report
慢性呼吸不全患者に対する在宅療養への看護介入に関する研究
Project/Area Number |
10672212
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Research Institution | KAGAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
今中 悦子 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00213231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 由美 香川医科大学, 医学部, 講師 (90284364)
浦田 秀子 長崎大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (20185086)
田代 隆良 長崎大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40163456)
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Keywords | 慢性呼吸不全 / 在宅療養 / 在宅酸素療法(HOT) |
Research Abstract |
平成10年度の研究で考察した不十分ながら実施されている看護の役割「(1)在宅酸素療法(以下HOT)の機材に関する日常の手入れや管理方法、(2)呼吸法などの酸素吸入の必要性など導入などの日常生活に関する患者教育、(3)QOLを目指した各種サービス等の情報を伝え支援する役割(患者会への支援など)、(4)福祉・経済面への支援体制についての情報提供(身体障害者手帳の取得方法など)」4点を11年度は具体的に調査した。(3)の実態を知るために1.患者会についての調査を、また(1)、(2)、(4)の実態を知るために、2.HOT患者対して郵送によるアンケート調査を行った。 その結果、1では以下のことが明らかになった。(1)患者会は、情報交換、患者教育の場として有効な役割を果たしていた。(2)形態には受療施設毎のものと陳情・交渉の役割ももつ県単位のものとの大きく2つがある。(3)ほとんどが役員の高齢化・重症化のため活動が停滞気味である。患者会は本来は自治運営組織であるが、疾病と障害を併せ持つという点を考慮し医療・保健・福祉の関係者が連携しつつ患者会および在宅療養を支えていく必要があると考察された。具体的には月1回の外来受診時と(教育)入院時という機会だけでなく患者会の機関誌を利用した患者教育の働きかけや、地域で開催される呼吸器教室の開催などである。包括的リハビリテーションの立場からも患者会は患者教育の場として有効な役割を果たすものと期待される。患者のニーズを的確に把握して援助計画を立案していく必要がある。 2については、I.HOT導入前と後における生活実態、II.社会福祉サービスの利用状況、III心理状態の3つの視点から調査を行い422名の患者から回答を得た。現在、分析中である。今後、その分析を通じて患者のニーズを的確に把握して在宅療養への看護援助のあり方について考察していきたい。
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