難病児の学校における医療的ケアと在宅支援に関する研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10672226
• Research Institution: Kawasaki University of Medical Welfare
• Principal Investigator: 柳 修平 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (30145122)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 津島 ひろ江 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (80113364)
• Keywords: 障害児教育 / 難病児 / 在宅支援 / 養護教諭 / ノーマライゼーション

Research Abstract

今年度の研究では、学校において医療的ケアを要する難病児の事例を全国的に面接聞き取り調査で収集し、援助態勢の現状を整理している。また、地域の学校に就学する機会は、今後、ますます増加していくと考えられる。そこで、小・中学校の養護教諭を対象に、受け入れ状況の現状と、今後、想定される問題の対応について質問紙調査を行っている。
難病児の教育においては、就学前から保健・医療・福祉等の関係諸組織との連携を図り、保護者に対して、きめ細かく情報を提供できる環境と、進学に対応して一貫したサポートが行われることが重要であり、学校や地域で中心的に調整できる人の存在の有無が、その継続に大きく関わっている。
中には、関係諸組織の連携が十分とはいえず、就学時や在学中の継続的な指導が不十分になっているケースや、かかえている疾患等の状況や発達に応じた専門的指導が十分に対応できていないケースもあり、さらに、問題点を整理し、それらを類型化し、学校・地域・家庭・施設というコミュニティ全体の中で、難病児の健康生活を支援していくことが必要である。
O県の現状では、361校(回収率58%)中102校が病弱児の学校での医療的ケアに関わり、介助員・加配教員・ボランティア・クラスメートなどの援助態勢を組んでいるが、背景となる疾患や必要なケアの内容によって保護者や訪問看護婦が参加している。医療や福祉の状況がめまぐるしく変化している中で、養護教諭からの研修の希望内容も多岐に渡り、総計64のカテゴリが得られたので、面接調査の事例分析に重ね、他地域との比較と合わせ、課題の類型化を検討している。