1999 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞をもつ高齢者の退院後の生活の適応とその変化に関する縦断的研究
Project/Area Number |
10672234
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 まゆみ 群馬大学, 医学部, 教授 (50251137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 澄美子 聖隷クリストファー看護大学, 看護学部, 教授 (80070671)
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Keywords | 高齢者 / 看護 / 急性心筋梗塞 / 生活 / 社会活動 / 縦断研究 |
Research Abstract |
群馬県内のCCUをもつ2つの病院に入院中の初発心筋梗塞患者で、研究参加の承諾を得られた11名を対象とした。対象は69歳から89歳までの、男性8名、女性3名である。うち1名は退院9か月後、間質性肺炎のため死亡した。 データ収集は、半構成的面接と参加観察、診察記録・看護記録からの基礎的データ収集により実施した。面接は入院中で退院が決定した時期を第1回とし、退院して1か月後を第2回、以後3か月ごとに退院後1年までの計6回実施した。面接内容は逐語録を作成し、研究分担者のスーパービジョンを受けながら進行、分析を行った。あわせて高齢者社会活動能力指標により、退院後の社会活動状況の変化を測定した。その結果結果、以下のことが明らかになった。 1.患者の退院時の生活の見通しの持ち方には、発病前の趣味、地域・社会活動状況が関連していた。 2.退院後の生活では、家庭内での日常生活の活動レベルは、発症前と比べ大きな変化はなかった。家庭外での社会的活動レベルについては、退院後3か月間は発症前に比べ大きく縮小し、6か月後以降徐々に拡大する傾向がみられたが、退院後1年経過しても発症前のレベルに回復したものはなかった。 3.患者の生活が安定するには退院後およそ1年を要し、春夏秋冬の気候の変化に応じた生活の仕方を試みようとしていた。特に、冬季の寒冷気候、夏季の高温多湿気候に対して、生活上の工夫や活動の縮小をはかっていた。今後は、平成12年9月をめどに退院2年後までの生活の変化を追跡調査して最終的な研究結果をとりまとめるとともに、成果をもとにした高齢心筋梗塞患者に対する看護支援プログラムの開発を予定している。
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