1998 Fiscal Year Annual Research Report
「小児虐待ハイリスク状態」の母親の心理分析と援助に関する研究
Project/Area Number |
10672237
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西村 真実子 金沢大学, 医学部, 助教授 (50135092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重澤 敏男 金沢大学, 医学部, 助教授 (20143919)
炭谷 みどり 金沢大学, 医学部, 助手 (00283119)
田淵 紀子 金沢大学, 医学部, 助教授 (70163657)
島田 啓子 金沢大学, 医学部, 助教授 (60115243)
関 秀俊 金沢大学, 医学部, 教授 (60171328)
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Keywords | 虐待 / 乳幼児 / 母親 / 苦痛を与える行為 / 心理 / 子育て / 援助 |
Research Abstract |
1. 面接調査の実施 我々の「虐待ハイリスク状態の実態調査(平成9年)」において、面接調査の承諾が得られた、虐待行為をしている母親24名に家庭訪問による半構成的な面接を行った。 2. 「虐待行為」と「虐待」の範疇・定義 強く叩く・強くつねる・どつくなどの暴力と、ののしる・傷つける(例えば出ていけ)などの暴言の連呼を、子どもへの教育的配慮ではなく、感情的に子どもにあたるとか、自分の気分でしていると母親自身が明確に認識している場合を「虐待行為」とした。 また「虐待」の判断は、このような虐待行為が繰り返されている場合で、母親を怖がる・おびえる、母親の顔色や機嫌を窺う、虐待行為があっても母親を肯定的に気づかう、自己否定傾向・集中性や積極性の低下(自信喪失)などの反応が子どもにみられている場合(危惧される母子関係)とした。 3. 面接逐語録の分析 分析は、以下の3つの視点でグラウンデッドセオリーアプローチの継続比較分析を行った。 (1) どんな文脈で虐待行為をするのか、虐待行為をする時は母親にとってどんな状況の時か。 (2) 母親が苛立っていたのに虐待行為に至らないですんだ場合は、どんな状況の時で、どのような文脈で子どもに対応したのか。 (3) 養育行為に至る母親の心理に違いはないか。 分析は現在進行中である。
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