2001 Fiscal Year Annual Research Report
母親役割への適応を支援するためのプログラムに関する研究
Project/Area Number |
10672248
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
桑名 佳代子 宮城大学, 看護学部, 助教授 (70154531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 明子 宮城大学, 看護学部, 助手 (80266626)
大沼 珠美 宮城大学, 看護学部, 助手 (60295392)
桑名 行雄 宮城大学, 看護学部, 助教授 (90258848)
坂原 純子 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (70315571)
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Keywords | 母親 / 母親役割 / 父親 / 父親役割 / 役割適応 / 育児ストレス / 育児支援 |
Research Abstract |
平成11年度・12年度に実施した月齢3〜5か月(4か月児群)と1歳6か月(18か月児群)をもつ母親・父親を対象とした質問紙調査の分析をすすめ、両親の役割認知、役割期待、育児ストレスについて相互の関連を検討した。4か月群は197組(配付数に対する有効回答率は58.6%)、18か月群は160組(46.2%)を分析した結果、母親の「親自身に関わるストレス」合計点(日本語版Parenting Stress Index)と父親の育児ストレス得点には、有意に弱い正の相関が認められ(r=.25 p<.01、r=.17 p<.05)、とくに高いストレス群においては関連が強い傾向にあった。また、4か月群では、父親の育児ストレスと母親の母親役割への消極的・否定的受容との間に正の相関がみられた。さらに、父親・母親役割認知と父親(母親)としての自己、また父親(母親)としての夫(妻)が「一致する」ものは育児ストレスが低い傾向にあることが明らかになった。これらより、親役割適応への看護介入には、出産前から夫婦ともに親役割への認識について考える機会や場の設定が必要であり、出産後は夫婦間の役割期待の調整が重要であることが示された。 また、18か月群の母親において、PSI総点が80パーセンタイルを超える高ストレス群の母親18名にグループワークを呼びかけ、同意が得られた3名についてグループワークと個別介入(PSIプロフィール判定・TK式幼児用親子関係検査による養育態度判定の結果からの援助)を試みている。グループワークでは自らの育児ストレスの原因への気づきがあり、対処を考える機会となったが、PSIプロフィールで「親としての有能さ」「抑うつ/罪悪感」におけるストレスが高値である1名はストレス軽減にいたらず家庭訪問の同意を得たので、今後の質的研究につなげたい。 以上より、親役割への適応のためには、母親・父親ともに妊娠中からの段階的な支援が重要であり、適応が困難なものには個別アセスメントによる看護介入が必要であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 桑名佳代子, 桑名行雄, 坂原純子, 大沼珠美, 坂上明子: "乳幼児をもつ母親の育児ストレスに関連する要因"母性衛生. 42巻・3号. 255 (2001)
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[Publications] 坂原純子, 桑名佳代子, 桑名行雄, 大沼珠美, 坂上明子: "乳幼児期における母親役割受容に対する意識と関連要因"母性衛生. 42巻・3号. 255 (2001)
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[Publications] 桑名行雄, 桑名佳代子, 坂上明子, 坂原純子, 大沼珠美: "乳児期における父親の育児役割とストレス"こころの健康. 16巻・1号. 93 (2001)