1998 Fiscal Year Annual Research Report
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10672249
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Research Institution | College of Nursing Art and Science, Hyogo |
Principal Investigator |
内布 敦子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (20232861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 真澄 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (80305698)
竹本 明子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (70295757)
滋野 みゆき 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (70305697)
ラーソン ハ゜トリシア・J 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (80295766)
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Keywords | 癌 / 症状緩和 / モデル / 介入 / 効果検証 |
Research Abstract |
1998年度の研究の目標:本研究は(1)モデルの臨床適用を行った際の効果検証を行うための評価項目を設定すること(2)症状マネジメントを看護の視点で進めるために開発された症状マネジメントの統合的アプローチ(IASM)を臨床に適用する具体的な方法を精錬することを目的としている。本年度は特に前者については、Donnabedianの質評価の研究枠組みに沿って構造、過程、評価の項目を設定し、後者については適用のためのガイドブックを精錬した。 研究の方法:効果検証のための評価項目の設定は、主に(1)専門家による検討(2)文献による検討によって行った。ガイドブックの精錬は、主に試験的な現場への適用とその反応を検討することによって行った。 結果:(1)構造の評価項目としては患者数や看護婦数、疾病構成や看護体制などの基本的事項の他に症状マネジメント活動に影響を及ぼすと判断された関連資料の整備や関連研修への参加などを設定した。過程の項目は、IASMによる活動そのものを評価項目とした。結果の評価項目にはIASMで評価することになっている個々の患者の症状マネジメントの結果の項目を採用し、病棟集団としての変化を評価することとした。(2)IASMガイドブックの精錬はすでに開発されたものをベースに実際に臨床現場で看護婦に使用してもらい、運用上の問題点を提出してもらった。その結果、記録用紙を工夫することでガイドブックに沿った活動がより導きやすくなることが明らかになり、3種類の記録用紙を開発した。しかし、分析の結果、看護婦がIASMに沿って情報を収集し、看護活動を導き出す過程では、症状マネジメントの状況を判断し、提供すべき知識、技術、サポートを決定することが困難だということが明らかになった。そのため、看護婦にアセスメントの視点を提示し、アセスメントから看護活動の決定までが実行可能となるようにトレーニングする必要があり、現在、研究班が事例毎にスーパービジョンを行うかたちでアセスメントと活動内容の決定の部分のサポートを行っている。約10例の事例の経過を分析すると、暫時事例を重ねる毎に看護婦が患者のセルフケアを考慮して意図的に働きかけるようになっており、患者の症状マネジメントの結果はより改善されたものになっている。初年度に介入手段の精錬を行い、IASMによる介入の効果検証計画を明らかにすることができたので、次年度からはいくつかの病棟で検証作業を重ねることが必要である。
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Research Products
(1 results)