2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10672249
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Research Institution | College of Nursing Art & Science, Hyogo |
Principal Investigator |
内布 敦子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (20232861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 さつき 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (60326311)
滋野 みゆき 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (70305697)
荒尾 晴惠 兵庫県立看護大学, 看護学部, 講師 (50326302)
大塚 奈央子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (30336838)
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Keywords | 癌患者 / 癌性疼痛 / 症状マネジメント / モデル / 臨床適用 / セルフケア能力 |
Research Abstract |
本研究は1998年度から2001年度までの4年間でいくつかの段階をふみ、がん患者の症状マネジメントのためのモデルIntegrated approach to Symptom Management (IASM)(Larson,内布、竹本、他.1994)の有用性の検証と、モデルの使用のためのガイドブックの精練を目的に進めてきた。1年目は、臨床適用の準備段階として、(1)有用性の検証に必要と思われる調査項目や指標の設定、(2)事例に用いるためにすでに開発されているガイドブックの精錬と記録用紙の開発、(3)分析項目の提案を行った。2、3年目は、事例での検討を進めモデルの有用性を検証した。その結果、IASMの使用は、身体状態がパフォーマンスステータス1-2程度の人々に対し、よりその効果を発揮しやすく、セルフケア能力の向上と、その上で症状緩和に効果があることが明らかになった。 2001年度は、病棟を単位としてIASM導入の効果を検証することを目的に行った。国内の一私立病院の腎臓透析、一般内科病棟を対象として、系統的にこのモデルを導入することを試みた。変革理論を取り入れ、対象病棟スタッフ全員でIASMの活用を展開した。研究の実施にあたり、病棟の医師、看護師の同意を得た。変革理論にそって、変革前に、病棟の問題を明らかにし、病棟スタッフがIASMを受け入れることを決定した。対象病棟看護師らは、全員でIASM看護活動について学び、実施における疑問点などを明確にし、各自事例への適用を試みた。事例は3例であった。内部エージェントと研究班との連絡を行い、研究班は、外部エージェントとして病棟スタッフがIASM導入という変革を少ない抵抗で行えるよう、分析結果を即座に返したり、資料を提供するなどサポートを行った。 結果として、個々の看護師には変化が見られたが、集団としてIASMを定着させるには至らなかった。しかし、変革理論の第一段階の組織診断をより綿密に行うことによって定着の可能性も見え、今後の効果的なIASM導入に示唆を与えた。1998年度から2001年度にかけて、個別事例へのIASMの適用から病棟組織への導入までモデルの精錬を行い実用化の段階まで進めることができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 内布敦子: "がん看護学研究において生ずる研究対象者へのリスクとその配慮"看護研究. 34(2). 153-159 (2001)
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[Publications] 内布敦子: "Quality Improvement (QI)の考え方とターミナルケアへの応用 Concept and Implementation of Quality Improvement to Terminal Care"ターミナルケア. 11(5). 341-347 (2001)
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[Publications] 内布敦子: "ターミナルケアにおけるリスクマネジメント:事例にそって"ターミナルケア. 11(5). 367-369 (2001)
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[Publications] 荒尾晴惠, 宇野さつき, 内田香織, 大塚由華子, 山本真澄, 滋野みゆき, 内布敦子: "終末期がん患者の症状マネジメントに関する研究"財団法人笹川医学医療研究財団,研究業績年報. 16(1). 135-141 (2001)
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[Publications] 内布敦子, 荒尾晴惠, 滋野みゆき, 山本真澄, 宇野さつき, 内田香織, 泉本由華子: "癌患者の症状緩和技術に関する研究"平成12年度科学研究費補助金(基盤研究c(2))研究成果発表報告書. (添付). (2001)