1998 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄移植を受ける患者・家族の治療決定に影響を及ぼす要因-小児医療における倫理的側面-
Project/Area Number |
10672254
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
児玉 千代子 東海大学, 健康科学部, 講師 (90276874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 千代 東海大学, 健康科学部, 助手 (20297188)
戈木クレイグヒル 滋子 東海大学, 健康科学部, 助教授 (10161845)
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Keywords | 骨髄移植 |
Research Abstract |
骨髄移植を受けた患者・家族のうち、2家族に面接し、1家族は現在も継続してフォローを行っている。骨髄移植を決定するに至った経過や骨髄移植後の状況についてインタビューした内容について分析を行った。その中で、家族の心理的変化とそれに影響を及ぼした要因を探っている段階である。家族への面接は今後も継続していく予定である。 また、骨髄移植という治療方法の決定において、患者・家族に医療者からどのような説明がなされているかを明らかにするため骨髄移植を目的に来院した患者・家族への説明場面に同席し、面接内容をテープ録音し、逐語録を作成し、分析を行っている。データは11例で、年齢は2歳〜19歳、疾患は白血病、再生不良性貧血、ムコ多糖症、免疫不全症であった。医師の説明内容は治療面と生活面の両方を含んでいた。治療面においては移植治療におけるディメリットの説明内容や分量にはやや違いも見られた。これは、治療の緊急度やリスクの大きさ、勝算などの違いも影響しているのではないかと考え、分析を深めるとともに、医師が説明する際の同席も継続していく予定である。 さらに、主に、血液疾患の患者・家族に対して医師が病状や治療について説明する場に同席し、その内容を上記と同様の方法で分析している。血液疾患のうち、白血病などは、すぐに骨髄移植の適応となるわけではないが、発症初期の段階から、骨髄移植の可能性も含めて、どのように説明されているかも、治療決定に大きな影響を及ぼすと考えられるからである。このデータは、20ほど集まっており、現在内容の分析を行っている。 この他に、医師の骨髄移植に対する考え方を知ることも大切と考え、3名の医師に面接を行った。
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