Research Abstract |
1. 研究目的:脳卒中後在宅で過ごす患者が寝たきりにならず,日常生活動作が維持あるいは拡大するためには行動量を低下させず,増やすことが必要である.そこで日常生活活動量を24時間の姿勢のモニタリングから評価することを試みた.平成10年度は基礎的資料を得る目的で健康女性を被験者とした日常生活活動量を測定した. 2. 方法:健康女性(20〜29歳10名,30〜39歳5名,50歳台2名)計17名を対象としてアクトライザMA-1100(ANIMA)を用い,日常生活活動量を歩行時間,臥位,長座位,椅子座位,立位の各姿勢の保持時間,歩行数,姿勢変化の回数から測定した.測定は学生は授業のない日,勤労者は日中ほとんど座位労働の日を選んだ. 3. 結果:(1)入浴を除いた1日の臥位,長座位,椅子座位,立位,歩行の各姿勢の総時間(時間)の平均と比率は,順に8.9(37.6%),3.8(15.9),6.2(26.4),1.8(7.8),2.9(12.3)であった.歩数は8304±1675であった.(2)1日の時間帯でよく動く時間帯は16時台,17時台であり,その時間帯の姿勢は立位,歩行の時間が長く,1時間中33.3〜95.0%はその姿勢をとっていた.(3)家事動作を行う人と行わない人を比較すると,行う人のほうが立位,歩行姿勢をとる時間が長く,歩行数が多かった.(4)学生と勤労者との比較では各姿勢の総時間,歩行数に有意な差は認められず,個々の生活スタイルによる違いが大きいことが示された. 4. 今後の計画:50〜64,65歳以上の健康女性,各年代の健康男性の計測の後,脳卒中患者の入院中(リハビリ開始前,退院前),退院後の生活活動量とADL-APDL,ソーシャルサポート,QOLを測定する.
|