1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中後遺症患者の退院後の生活活動量とADLとの関連に関する研究
Project/Area Number |
10672258
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Research Institution | College of Medical Technology, Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
藤田 淳子 京都府立医科大学医療技術短期大学部, 講師 (00259433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種池 礼子 京都府立医科大学医療技術短期大学部, 教授 (10259426)
山口 眞希枝 京都府立医科大学医療技術短期大学部, 助手 (30310668)
西田 直子 京都府立医科大学医療技術短期大学部, 助教授 (80153881)
吉野 節子 旭川医科大学, 医学部・看護学科, 助手 (80269779)
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Keywords | 日常生活行動量 / 姿勢 / 歩行数 / 姿勢の変化 / 運動機能障害 / ADL / 活動量 |
Research Abstract |
1.研究目的:脳神経、骨関節系疾患罹患後に在宅で過ごす療養者や虚弱高齢者の日常生活動作や移動能力の低下の予防と活動量の増進は、QOLを高め、寝たきり者の増加の抑制や生命予後の延長につながる重要な援助である。このため、ADL評価では測定できない生活行動量の測定を、24時間の姿勢のモニタリングから評価することを試みた。平成11年度は在宅高齢者と入院中の股関節形成術後患者を測定した。 2.方法:健康女性(20〜70歳)18名と股関節形成術後患者男性2名、女性2名の計22名を対象としてホルター動作解析装置アクトライザMA-1100(ANIMA)を用い、24時間の日常生活活動量を歩行、臥位、長座位、椅子座位、立位の各姿勢の保持時間、歩行数、姿勢変化の回数から測定した。 3.結果:(1)健康女性では個人差が大きく、家事動作、住居の広さが活動量に影響していた。(2)股関節形成術後患者は健康女性と比べると臥位が長く、歩行・椅子座位・長座位が短かった。患者の場合は荷重の程度、術式が生活活動量に影響していたが、健康女性と同様個人差が大きく、入院前の生活の影響が示唆された。(3)姿勢の変化回数は、患者の場合、臥位が長いと少なく、椅子座位が長いと多い傾向であり、健康女性のパターンとは異なっていた。姿勢の変化回数と姿勢の保持時間との関連は、生活活動量の程度によって異なることが示された。(4)歩行可能な股関節形成術後患者の退院前の歩行状況は、歩行数では在宅高齢者と差はみられないが、歩行のパターンは異なっていた。 4.考察:日常生活活動量を姿勢の変動と歩行数から定量的に評価する方法は運動機能障害のある人に対しても有用であることが示された。運動機能障害があると移動動作に影響し活動度が低下しやすく意図的な行動プログラムによる介入の必要性が示唆された。
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[Publications] 藤田淳子: "ホルター動作解析計を用いた健康女性の1日の行動量の測定"看護人間工学研究誌. 2. 51-56 (2000)
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[Publications] 藤田淳子: "ホルター動作解析計を用いた健康女性と股関節形成術を受けた患者の1日の行動量の測定"京都府立医科大学医療技術短期大学部紀要. 9・2. 231-238 (2000)
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[Publications] 山口眞希枝: "健康女性の日常生活行動量の測定"京都府立医科大学医療技術短期大学部紀要. 9・1. 89-94 (1999)
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[Publications] 山口眞希枝: "股関節形成術後患者の生活行動内容と姿勢の変化"京都府立医科大学医療技術短期大学部紀要. 9・2. 287-296 (2000)
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[Publications] 西田直子: "健康女性と入院患者の生活行動内容と姿勢の変化の比較"京都府立医科大学医療技術短期大学部紀要. 9・2. 213-218 (2000)