Research Abstract |
8月1〜11日の間ドイツを訪問し,まずハノーファーの空間研究・国土計画研究所(ARL)と二ーダーザクセン州内務省を訪ねた後,チェレ市長に面会し,都市ネットワーク・エクスポレギオンについて意見を交換した。その後,ビーレフェルト市役所,ディイスブルク大学,連邦空間整備・土木・都市計画省(BfRBS),連邦土木建築空間整備研究所(BBR),ザクセン州空間整備省,オスナブリュック大学などを訪問し,都市ネットワーク論に対する私の考えについてレビューを受けた。その結果,ドイツの都市ネットワークの現状に関する私見を修正し新たな知見をえたので,その概要は「人文地理」と「地理科学」に発表した。1993年に発表された都市ネットワーク構想は,従来の中心地計画を補足するものとして期待されているが,企業ネットワークとは無関係に,各市長間の連携による戦略的ネットワークが結成されており,それほど大きな期待はできないというのがその内容である。12の都市ネットワークモデル地区の試験研究の結果は1998年秋に発表される予定のため,その報告書をみて個々の都市ネットワークの状況を第3の論文として報告する予定であるが,報告書の作成が遅れ,依頼した連邦空間整備省(BfRBS)のメーヴァルト部長からいまだに報告書を得ていない。 国内については,宇都宮,広島,金沢,新潟,札幌,大分などの地方大都市の市役所や県庁を訪ねて都市間協力関係の現状や都市ネットワークならびに地域連携軸の必要性について調査した。また,大都市周辺地域の調査のために,埼玉県まちづくり支援課や川口市に本部をもつ埼玉県南まちづくり協議会を訪ね,同様な調査を行った。その結果,大都市周辺地域の方が意識が高いとはいえ,都市ネットワークの必要性についてあまり考慮されていないことが判明した。これについては来年度なおいくつかの調査を加えて,発表する予定である。
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