1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680142
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渋川 祥子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (80017996)
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Keywords | 炭火 / 直火焼 / 放射伝熱 / 魚焼網 / 放射伝熱の割合 / 焙焼香 / 排ガス |
Research Abstract |
1.研究目的:昔から焼き物調理をする時に炭火を用いるとおいしくできると言われているが、その理論的根拠は明らかにされていない。そこで、炭火加熱の特徴を明らかにするために研究を行った。 2.研究結果:平成10年度は、炭火で加熱すること、放射伝熱が強く、伝熱量の約70%であることが明らかになり、熱源がガスであっても電気であっても、伝熱量と放射伝熱の割台が等しければ、食品の表面温度の上昇は等しく、同様の焼き色が付き同程度の水分蒸発が起こることが確認された.しかし、官能検査を行うと焼きあがった食品の匂いに差があることが明らかになった。平成11年度は、この匂いの差について検討を行った。鶏肉を炭火とガスコンロの上に魚焼き網を乗せた条件で熟量と放射伝熱の割合を同等に調節した加熱条件で焼き上げ、その表面の着色が同程度であることを確認した後、匂い成分をエレクトリックノーズを用いて分析したところ、匂いに違いがあることが確認された。更に焼きあがった直後、食品を密閉してそのヘッドスペースガスをガスクロマトグラフィーを用いての分析したところ、その組成に差が認められた。炭焼きしたものは、ガスコンロ・焼き網のものに比較して、メチルブタナール、へキサナールなどが多く、焙焼香であるピラジン類やピロールの比率も異なることが明らかになった。この原因の一つは、熱源からの排ガスの違いによるものと考え、検知管を用いて分析したところ、炭焼きの場合はガス・焼き網の場合に比べて、水素、一酸化炭素の量が多く、酸素の量が少ないことが明らかになった。 3.まとめ:炭焼きの特徴は、伝熱量の内放射伝熱によるものが多く、そのことが食品表面によい焼き色と香ばしい匂いをつける要因になっていることが明らかになった。更に、炭焼きでは排ガスの組成の違いにより、食品表面で生成されたり付着する成分が異なり、それが焙焼香の違いの原因になっていると考えられた。
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