1999 Fiscal Year Annual Research Report
肥満高血圧の減量による降圧機序と栄養・運動因子-特にインスリン抵抗性と血清レプチン濃度-
Project/Area Number |
10680158
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
伊藤 和枝 中村学園大学, 家政学部, 教授 (80104983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美鈴 中村学園大学, 家政学部, 助手 (00301680)
増田 隆 中村学園大学, 短期大学部, 講師 (60211562)
中村 元臣 中村学園大学, 大学院栄養科学研究科, 教授 (60037322)
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Keywords | 肥満 / 血圧 / 血清レプチン / インスリン抵抗性 / ノルエピネフリン / 腹部脂肪 / ヒト / 減量 |
Research Abstract |
【目的】肥満是正に伴う降圧には、インスリンと関連の強い肥満Ob遺伝子血清レプチン濃度(Leptin)が血圧ならびに血圧関連因子に及ぼす影響について検討した。 【対象と方法】対象は年齢47.0歳の女性102名(BMI:29.5kg/m^2)である。栄養・運動による減量指導を3ヵ月間行い、開始時(OM)、3カ月(3M)後に日本コーリンBP8800を用いて血圧を測定し、早朝空腹時に安静臥床30分後の採血を行った。0M、3MにMRIにより腹部脂肪を測定し、75gOGTTならびに24時間蓄尿(24hU)を行った。OMの血圧により、JNC-VIの基準にもとづき、SBP:130以上またはDBP:85mmHg以上の者を高値血圧群(HT群:31)、それ以外を正常群(NT群:71)とし比較した。 【結果】(1)減最前(OM)の年齢、体重、腹部脂肪、ΣIRI、PRA、24hUノルエピネフリン(NE)は群間に差を認めず、血清LeptinはHT群で有意に高値を示した。OMのLeptinとBMI、内臓脂肪、Fat-massの間に有意な正相関を認め、SBP・DBPとの関連はなかった。(2)3Mで体重は3.3kg、Fat-massは 2.2kg減少し、減少率に群間の差を認めなかった。(3)HT群でのみSBP・DBPは有意に低下し、24hU-NEも有意に低下した。(4) LeptinはHT・NT群ともに有意に低下した。(5)OMのΣIRIとLeptinの間にr=0.479,ΣIRI(3M/OM)とLeptin(3M/OM)の間にr=0.501(各 p<0.001)の正相関を認めた。LeptinとFat-mass・腹部全脂肪の変化率の間にr=0.498,r=0.301(p<0.001)の正相関を認めた。(6)HT群ではMBPとLeptin変化率(3M/OM)の間にr=0.412の正相関を認めた。(7)重回帰分析により、減量によるMBPの変化率(3M/OM)には、全員でΣIRIと24hU-NEの変化率が正に、HT群ではLeptin変化率のみが正に回帰され、ΣIRIと24hU-NEとの関連は消失した。この関連は肥満指数をFat-mass,腹部脂肪のいずれを投入した場合にも同様であった。 【続語】中等度肥満高血圧者の減量に伴う降圧には血清Leptin濃度の関与が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Itoh,T.Masuda,M.Tanaka,M.Nakamura: "Relationship between the blood pressure and the serum leptin level and insulin resistance in obese subjects"Hypertension Research. 21;4. 301 (1998)
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[Publications] K.Itoh,T.Masuda,M.Tanaka,M.Nakamura: "Relationship between changes in the serum leptin and blood pressure after weight loss"Hypertension Research. 23;1. 62 (2000)