1998 Fiscal Year Annual Research Report
国際的に通用するエンジニア教育課程における基礎物理教育の研究
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10680193
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
原 康夫 帝京平成大学, 情報学部, 教授 (10015505)
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Keywords | エンジニア / 基礎物理教育 / 教材の共有化 / エンジニア教育 / データベース |
Research Abstract |
初年度の本年度は、主として調査および情報環境の整備を行なった。 昨年5月と11月に広島大学大学教育センターで開催された日本高等教育学会の2回の会合を利用して、参加者および同センターの荒井教授、羽田教授、米沢助教授などから、高校教育と大学教育の接続および欧米での大学評価に関して情報収集を行ない、昨年6月に高山市で開催された物理学の国際会議を利用して欧米諸国の物理学者から欧米での最近の基礎物理教育の動向を調査した。また、日本工学会の国際的に通用するエンジニア教育検討委員会への継続的出席で、工学の各専門分野での教育目標について知見を得るとともに、エンジニアおよびエンジニア教育とは何かが明確になった。 エンジニアとは「数理科学、自然科学およぴ人工科学の知識を駆使し、社会や環境に対する影響を予見しながら資源と自然力を経済的に活用し、人類の利益と安全に貢献するハード・ソフトの人工物やシステムを研究・開発・製造・運用・維持する専門職業」に携わる専門職である。エンジニア教育はエンジニアに必要なスキルと知識を与えることである。スキルとは「物事を正しく行うことのできる能力」であり、また「問題と解答との間のスペースを埋めることのできるプロセスを構成する能力」である。 調査活動を通じて、エンジニア教育における基礎物理教育では、学生に物理学の知識を詰め込むのではなく、物理学の知識を具体的な工学設計で応用できる能力を養成することが重視されていることを認識した。物理学知識の応用の際に重要なのは、物理学情報のデータベースである。本研究ではエンジニア教育用物理学情報データベースのパイロットの試作を目指し、デル社製のサーバと各種のソフトを購入し、インターネット用ルーターの再設定を行ない、研究室の情報環境を整備した。また、授業の際に教師が手軽にできる演示実験の開発のために中村理科工業製の各種の物理教材を購入した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 原康夫: "物理教育ネットワーク化への道" コンピュータ&エデュケーション. 4. 11-15 (1998)
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[Publications] 原康夫: "現代物理学" 掌華房, 156 (1998)
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[Publications] 原康夫: "理工系の基礎物理" 学術図書出版社, 228 (1998)