2000 Fiscal Year Annual Research Report
年少者に対する多文化教育としての日本語・日本文化適応教育についての調査研究
Project/Area Number |
10680308
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 泉 大阪大学, 留学生センター, 教授 (30210438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 晋也 大阪大学, 留学生センター, 助教授 (50294137)
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Keywords | 日本語教育 / 外国人子女 / 年少者 / 子ども / 多文化教育 / 学校 / 母語教育 / 異文化適応 |
Research Abstract |
本科学研究費による調査研究の最終年度である本年度は,大阪地域でのメインのアクションリサーチを続けながら,近畿圏数地域および他地域数か所の状況について訪問調査等を行った。また,研究者や教育現場関係者,当事者等から情報収集を行った。 これらを通じて,外国から来た子どもたちの多くが日本社会への十全な適応に苦慮しているという状況は,いぜんとして続いていることが分かった。むしろ,「不登校」や「問題行動」などの状況の把握が進むにつれ,その問題の深刻さが指摘されてきている。 日本の教育現場における当該子どもたちへの日本語教育等は,かなりの進展があったと思われる。しかし,それらは,教師からの日本語での指示等が理解できるとか,子どもたち同士の意志疎通が何とかできるという域を超えるものではなく,各教科の学習で一定水準以上の成果が修められるというレベルから見ると,いまだ不十分でしかない。 このような現状からいって,外国から来た子どもたちが自己のアイデンティティーを保ちながら,日本での学力伸張を図るためには,母語と日本語双方での「学習言語」の習得を目指す教育実践を進めながら,バイリンガル,バイカルチュラル(二言語,二文化)能力を養成する教育方法を確立することが必要ではないかと考えるに至った。 また,これらの子どもたちの日本社会への適応は,ホスト社会である日本社会側の教育現場や子どもたちの多文化受容能力を向上させることと不可分であり,今後,併せてそのための教育プログラムの確立ための調査研究も行いたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山田泉: "「地域日本語教育」の二つの在り方とその教授者のネットワーク"平成11年度文化庁日本語教育研究委嘱日本語教育における教授者の行動ネットワークに関する調査研究-最終報告-社・日本語教育学会. 176-189 (2000)
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[Publications] 山田泉: "<地域での支援事例>豊中班報告"平成8・9・10年度文化庁委嘱事業中国帰国者に対する日本語通信教育(試行)報告書「通信」による日本語学習支援の試みhttp://www.kikokusha-center.or.jp中国帰国者地着促進センター. (ホームページヘ掲載). (1999)
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[Publications] 山田泉: "外国から来た子どもたちの自己実現の保障"大阪大学留学生センター研究論集『多文化社会と留学生交流』. 第5号(予定). (2001)