1999 Fiscal Year Annual Research Report
北陸地方における融雪地すべり発生のメカニズムと観測法に関する研究
Project/Area Number |
10680451
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Research Institution | FUKUI NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
太田 泰雄 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (10042988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻子 裕二 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助手 (40259859)
渡辺 康二 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (20042989)
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Keywords | 降雪地帯 / 融雪 / 地すべり / 最大融雪継続日数 / 地すべり発生回数 / 降水量 / 地下水位 / 地盤傾斜 |
Research Abstract |
梨子ケ平地すべり発生地における現地調査として、主に降水量と地下水位の関係、あるいは降水量、地下水位と各地すべり発生個所の地盤傾斜についての実地調査と2年間の研究のまとめを行なった。その結果、梨子ケ平地すべりの例より北陸地方の地すべりのメカニズムについて、次のような結果が得られた。 1.この地域の地すべりの素因としては次のことが考えられる。 (1)土質がおおむね凝灰質から風化れき岩 (2)北へ約35度傾斜した「流れ盤構造」 2.地すべり誘因としては、次のことが主に考えられる。 (1)地すべり頭部に水田と溜め池、さらに水路破損 (2)道路の建設(人工的誘因) (3)大雨と融雪(特に融雪期に地下水の大幅な上昇と傾斜計の異常数値) 3.北陸地方独自のすべり面形状と深さの特徴は存在しないが、今回の観測例はすべて、形状は沢型、馬蹄形であり、浅いタイプで深さ約5m、深いタイプで深さ約15mの地すべりがほとんどである。 4.地下水位はほとんどのブロックで地下10〜15mであり、降雨、融雪による影響が大きい。 5.移動面積および移動状況は、梨子ケ平地すべりを例にとれば、移動面積は約12ha、各ブロックとも幅15m程度、移動土量は928,000m^3程度である。北陸地方では、小規模な崩壊が毎年各所で発生し、少しずつ確実に傾斜・移動している。平成11年度は以上のようなことを観測し、報告した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 太田泰雄: "梨子ケ平地すべりの観測"第16回日本雪工学大会論文報告集. 16. 65-67 (1999)
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[Publications] 太田泰雄: "土壌電気抵抗測定による地中含水率の検討"電気化学会 技術・教育研究論文誌. 7.No.1. 3-7 (1998)
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[Publications] 辻子祐二、河邑眞: "衛星IR画像を用いた広域山腹斜面における二次災害監視GIS"自然災害科学J.JSNDS. 17・3. 279-290 (1998)
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[Publications] 辻子祐二、河邑眞: "衛星画像による地震時傾斜面崩壊形態および崩壊規模の検出方法に関する研究"土木学会論文集. 597. 11-20 (1998)