1998 Fiscal Year Annual Research Report
制御されたフラーレンプラズマによるフラーレン膜の堅牢化
Project/Area Number |
10680452
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
真瀬 寛 茨城大学, 工学部, 教授 (30007611)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 直幸 茨城大学, 工学部, 助教授 (80225979)
池畑 隆 茨城大学, 工学部, 教授 (00159641)
|
Keywords | フラーレン / フラーレン-アルゴン混合磁化プラズマ / フラーレンイオン / 電極バイアス実験 / イオンエネルギー制御 / フラーレン膜の堅牢化 / レーザー脱離イオン化TOFMS / フラグメンテーション |
Research Abstract |
研究計画書(1)~(5)に沿って,進捗状況を報告する(波線部は内定交付金で購入あるいは製作した物品を示す). (1) 実験設備の配置(真瀬・佐藤が平成10年10月末まで担当)→高価なフラーレンを吸着回収するためのSUS304製真空容器[設備費]を設計した.容器外壁を冷却して,フラーレンを吸着回収できることを確認した.また,レーザ脱離イオン化型飛行時間質量分析器(LD-TOFMS)用のサンプルスライドをオーブンの下流に設置することにより,バイアス電圧の極性と大きさを変えながらフラーレンの捕集量を制御できた. (2) 混合プラズマの計測(池畑・佐藤~平成10年12月末)→フラーレン-アルゴン混合磁化プラズマのプラズマパラメーター(空間電位など)の2次元分布をプローブ計測し,フラーレン膜堅牢化に与える径方向イオン束の効果を検討した.平成11年度は,OMAによる分光計測を行ない,混合プラズマ中イオンの挙動を把握する. (3) 高周波バイアス実験によるフラーレン膜形成(池畑・佐藤~平成11年度)→浮遊電極へ高周波電圧を印加し(信号発生器[設備費]),電極シース構造を変化させながらフラーレン膜を形成している. (4) フラーレンイオンのエネルギー測定(佐藤,大学院学生1名~平成10年2月末)→静電型エネルギー分析器を製作して,バイアス電極に入射してくるイオンのエネルギーを測定した.イオンエネルギー分布の広がりが観測されると堅牢なフラーレン膜が形成されることが判明した. (5) フラーレン膜堅牢性の評価と膜特性解析(真瀬・池畑・佐藤~平成11年度)→LD-TOFMSを用いて,レーザ照射によるフラーレンの脱離とフラグメンテーションを観測している.強磁場中の深い負バイアス条件で形成されたフラーレン膜は,脱離,特に,フラグメンテーションを起こしにくいことが判明した.
|
-
[Publications] 天ヶ谷健太郎,真瀬寛 他: "磁化プラズマ中で生成されたC_<60>堆積膜の堅牢化" プラズマ・核融合学会第15回年会予稿集. 272-272 (1998)
-
[Publications] 天ヶ谷健太郎,真瀬寛 他: "磁化プラズマ中におけるフラーレン堆積膜形成に及ぼす磁場の効果" 電気学会プラズマ研究会資料. EP-99-18. 23-28 (1999)