1998 Fiscal Year Annual Research Report
海洋漂流重油の運命予測-変性解析と漂流ルート解析および環境影響解析-
Project/Area Number |
10680497
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小森 友明 金沢大学, 工学部, 教授 (50019725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 欣也 石川工業高等専門学校, 助手 (80290740)
池本 良子 金沢大学, 工学部, 助教授 (40159223)
道上 義正 金沢大学, 工学部, 助手 (90190678)
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Keywords | 海洋汚染 / 重油 / ナホトカ号 / 漂流重油 / 重油変性 / エマルジョン / 塩分移行 / 重油流出事故 |
Research Abstract |
海洋漂流重油の揮発成分および溶出成分の溶出機構を移動現象論的にモデル化し,数学的な解析を行うことにより,重油中のナフタレンの挙動を表すことができた。さらに,油中塩分濃度の測定方法を開発し,ナホトカ号流出重油および数地点で入手した漂着重油の油中塩分濃度を測定した結果,ナトリウム濃度が高いことを明らかにした。そこで,国産重油を用いて,海洋漂流中の油の変性実験を行った。その結果,重油と海水を混合することにより,短時間でエマルジョンが形成され粘度の上昇が認められること,油中に塩分が移行することにより油-海水エマルジョンが安定化することを明らかにした。さらに,エマルジョンの形成により揮発性成分の拡散が促進されることを示した。以上の結果から,塩分の移行によるエマルジョンの安定化と,エマルジョン化による揮発成分の揮散により,より粘度の高いエマルジョンとなると考えれらた。
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