1999 Fiscal Year Annual Research Report
大阪湾岸域の広域大気汚染に及ぼす船舶からの汚染物排出の影響評価
Project/Area Number |
10680502
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山口 克人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 栄一 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (90029124)
近藤 明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20215445)
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Keywords | 大気汚染 / 気象予測モデル / 濃度予測モデル / 光化学オキシダント / 光化学反応モデル / 汚染物排出量 |
Research Abstract |
メソスケール予測モデルと短期の高濃度大気汚染が予測できる光化学反応を含む大気汚染濃度予測モデルを用いて、大阪湾沿岸域を対象に高濃度光化学オキシダントが観測された日について,船舶からの排出が陸域大気濃度に与える影響を検討した.まず,大阪府,兵庫県,および海上からの大阪湾岸域を対象にSO_x,NO_x,HCの排出量を算定した結果、SO_x,NO_xの船舶からの排出量は,全排出量の約30%を占めており,特にNO_xの排出量が多いことが示された.次に,この推定した排出量を入力データとして,高濃度光化学オキシダントが観測された日を対象にシミュレーションを実施し,観測値との比較を行った.排出量データの推定誤差や流れ場再現の不十分さを考慮すると,計算値と観測値は,ほぼ良好な一致を示した.最後に,船舶からの排出量を0と仮定して計算を行い,船舶からの排出が陸域濃度に及ぼす寄与を調べた.船舶からの排出による陸域濃度上昇域は,12時までは船舶からの排出量が集中している阪神沿岸域に限定されてるが,海風の発達とともにSO_2,NO_2の濃度上昇域は内陸に進入し,16時では内陸40kmまでに達し,特にNO_2濃度は内陸部でも濃度上昇が高くなることが示された.このように,海風が発達するような流れ場では,船舶からの排出による陸域濃度の寄与は沿岸部だけでなく陸域内部にまで影響していることが示された.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 近藤明,山口克人 他: "大阪湾岸地域の大気汚染濃度に与える船舶からの排出影響の検討"関西造船協会誌. 231. 306-321 (1999)
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[Publications] 金道龍,近藤明 他: "大阪湾ベイエリアを対象とした大気汚染に関する研究(1)"平成11年度空気調和・衛生工学会近畿支部学術研究発表会論文集. 17-20 (1999)
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[Publications] 岡崎隆治,近藤明 他: "大阪湾ベイエリアを対象とした大気汚染に関する研究(2)"平成11年度空気調和・衛生工学会近畿支部学術研究発表会論文集. 21-24 (1999)
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[Publications] A.Kondo,K.Yamaguchi,E.Nishikawa: "Influence of Ship Emission on Atmospheric Pollutant Concentration around Osaka Bay Area , Japan"WIT Press Air Pollution VII. 415-424 (1999)