1998 Fiscal Year Annual Research Report
静電分級法を利用するナノサイズ大気エアロゾル粒子の‘あるがまま'質量分析法の開発
Project/Area Number |
10680539
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古内 正美 金沢大学, 工学部, 助教授 (70165463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木嶋 敬昌 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (30303259)
金岡 千嘉男 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (00019770)
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Keywords | 浮遊粒子状物質 / ナノサイズ / 静電分級装置 / 粒径別成分 / あるがまま / 質量分析 |
Research Abstract |
本申請研究では、静電分級装置(DMA)による超微粒子の精密分級と質量分析装置を組み合わせた新しいタイプの超微粒子粒径別成分分析装置を開発することを目的として、平成10年度は以下の検討を行った。 1) DMAによるナノサイズ超微粒子の分級とその性能評価 ・超微粒子精密分級を目的として、数nm〜0.1μmを分級可能範囲とするDMAを新たに設計・試作した。 ・加熱凝縮法で発生させた臭化スズ超微粒子を、上記で製作したDMAで分級し、透過電子顕微鏡を用いて粒径測定して分級精度を検証した。 2) DMA-質量分析装置インターフェースの開発 1)の試作DMAで分級されたエアロゾルを質量分析計へ供給するための加熱装置を設計し、製作を開始した。 3) 質量分析計によるナノサイズ超微粒子および付着有害成分の成分分析 DMA-質量分析計による粒径別分析システムの設計・試作を行い、予備的な実験を行った。また、この際に必要となる基礎データとして、当該地域における大気エアロゾルの成分分析も行った。現有のローボリュームエアーサンプラーとアンダーセンサンプラーを用いて浮遊粒子状物質を長期的に継続してサンプリングし、濃度と粒径分布の測定および粒径別の成分分析を行った。成分分析は現有のICP発光分析装置により、主に金属成分に着目して測定し、加熱装置の設計および質量分析装置による測定の基礎データを蓄積した。この結果、当該地周辺での浮遊粒子状物質の粒径分布の2峰性と重金属成分がサブミクロン域に多いことを確認した。また、前処理を含めた一連の成分測定手法を確立し、質量分析装置による測定の妥当性を検証する体制を作った。
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