2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラット大脳皮質におけるc-fos発現の日内変動とその発現機構
Project/Area Number |
10680712
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
今城 純子 日本医科大学, 医学部, 講師 (20223323)
|
Keywords | c-fos / mRNA / 日内変動 / Propofol / 日内リズム / ラット / in situ hybridization / 正中視床核群 |
Research Abstract |
中枢神経系において、c-fos mRNAはcAMPの増加、Caイオンの細胞内流入、細胞膜の脱分極などによって誘導されうることから神経細胞の活動の指標として、いろいろな条件下での発現が報告されている。我々は、以前にc-fos mRNAの発現に日内変動がみられ、その発現様式に光刺激によるものと体内リズムによるものの2つの発現様式があることを報告した。今回我々は静脈内麻酔薬であるPropofol(2,6-di-isopropylp h enol)の投与によりラットの中枢神経におけるc-fos mRNAの発現にどのような影響があるのかについて検討した。8週I齢のSD系雄ラットを用いた。動物は実験開始前1週間、12時間明期/12時間暗期の生理的明暗環境下で飼育したのち、左総頚静脈から中心静脈カテーテルを留置し、さらに上記の条件下にて1週間で飼育した。Propofolの投与により正中視床核群にc-fos mRNAの発現が見られた。これらの核はベンゾジアゼピン系睡眠薬であるジアゼパムなどにより活性化されることから、Propofolの催眠作用がmidline thalamic nucleiの活性化をもって発揮されるものと考えられた。加えて、Propofolはベンゾジアゼピン系の薬剤同様にラットの日内リズムのPhase advanceおよびPhase delayに影響を与えるものと考えられた。また、Propofol 20mg/kg、30mg/kg投与により、c-fos mRNAは延髄のオリーブ核および小脳皮質に広範に発現が見られた画また、Propofol 10mg/kgの投与速度では、同部位でのc-fos mRNAの発現はみられなかった。これらは協調運動などを統合する核であり、Propofolがある程度の濃度以上でオリーブ小脳路に何らかの影響を与えるものと考えられた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Onodera H.: "Differential Expression of c-fos mRNA in the Rat Neocortex"Life Sciences. 4. 1127-1135 (1999)
-
[Publications] Imaki, J.: "Developmental expression of maf-1 messenger ribonucleic acids in rat kidney by in situ hybridization histochemistry"BBRC. 272. 777-782 (2000)
-
[Publications] Sakai M.: "Regulation of c-maf gene expression by Pax 6 in culture cells"Nucleic. Acid Res. 13. 328-338 (2001)
-
[Publications] Kawahara H.: "A prostaglandin E2 receptor subtype EP1 receptor antagonist (ONO-8711) reduces hyperalgesia, allodynia, and c-fos"Anesth Analg. 93. 1012-1017 (2001)
-
[Publications] Hamada T.: "The expression of SCDGF/PDGF-C/fallotein and SCDGF-B/PDGF-D in the rat central nervous system"Mech Dev. 112. 161-164 (2002)