1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750425
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横山 裕 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00231689)
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Keywords | 床振動 / 人間の動作 / 居住性 / 評価方法 / 歩行 / 触覚 / 聴覚 / 視覚 |
Research Abstract |
本研究は、歩行など建築物内での人間の動作により発生する、照明器具,視覚情報機器の揺れや、家具から発生するがたつき音など、視覚,聴覚を通じて感じられる床振動の評価方法を確立するとともに、研究代表者らが確立した足,腰など床に触れている身体部位での触覚を通じて感じられる床振動の評価方法とあわせて、触覚,視覚,聴覚を複合した総合的な床振動の評価方法を確立することを目的とする。平成10年度は、おもに聴覚、および聴覚と触覚を複合した評価方法について検討した。以下に、研究実績の概要を述べる。 1 種々の実在建築物で、人間の動作にともない家具から発生するがたつき音などの実態を調査した。具体的には、がたつき音の性状および発生機構や、床振動の振動数,振幅,減衰とがたつき音の関係などを検討した。 2 1の結果を参考に、振動性状を種々変化させられる試料床と、がたつき音が異なる種々の家具などからなる、実験装置を製作した。さらに、製作した実験装置と、10〜20名程度の被験者を用い、歩行など人間の動作により発生するがたつき音に関する官能検査を実施し、心理学的尺度を構成した。 3 研究代表者らが開発した、人間の動作により発生する床振動を再現できる代替加振装置を用いて、2で用いた実験装置の試料床を加振し、がたつき音を測定した。 4 2で構成した心理学的尺度と、3で測定したがたつき音の関係を種々検討し、がたつき音の感覚上の大きさや、居住性からみた評価を表示する物理量を設定した。 6 がたつき音に対する評価と、足,腰などを通じて感じられる床振動の評価との関係から、両者のうちより悪い方の評価が総合評価に影響することを究明し、触覚,聴覚を複合した総合的な床振動の評価方法を確立した。
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