1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771077
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 真一 大阪大学, 歯学部, 助手 (00252693)
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Keywords | インプラント / 咬合 / 咀嚼運動 / インプラント上部構造 / 咬合力 |
Research Abstract |
本研究の第一の目的は、インプラント補綴における食品性状による咀嚼運動の変化と、その特徴について知ることである。 インプラント補綴患者について、咀嚼運動を既存の下顎運動記録測定装置を用いて記録し、咀嚼リズムと中心咬合位付近における咀嚼経路の様相について分析を行った。 その結果、咀嚼リズムについてはインプラント群において閉口相時間、咬合相時間の延長が特徴的に認められ、さらに上下顎インプラント群においては食品性状の影響を最も大きく受けていた。 さらに、中心咬合位付近における咀嚼経路の様相については、天然歯群では硬性食品咀嚼時の咀嚼初期において、咀嚼終末位には到達せず、閉口運動が停止し、食品を咬み込むも、その直後に開口動作を開始する経路が特徴的に認められた。また、高弾性食品咀嚼時の咀嚼初期において、食品を咬み込みながら、咀嚼終末位へと到達する経路が特徴的に認められた。そして、硬性かつ高弾性食品咀嚼時の咀嚼初期においてはその両者が認められた。 上下顎インプラント群において、硬性食品の咀嚼初期には咀嚼終末位へ咬み込むような経路が特徴的に認められた。また、片顎インプラント群において、天然歯群と上下顎インプラント群の中間的な特徴が認められた。 以上よりインプラント補綴の各種食品咀嚼時において、咀嚼リズムと咀嚼経路に歯根膜の欠如に由来すると考察される種々の機能的特徴が存在すると結論づけられた。 また、第二の目的は、インプラント補綴の咬合面形態の相違による機能的な咬合力を測定し、その特徴を知ることである。 現在、インプラント上部構造の内冠にストレインゲージを貼り付けた三次元咬合力計のシステム開発を行っており、自家製のセンサーの製作および予備実験としてこの装置の校正実験を行い総合的に評価している。
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