1998 Fiscal Year Annual Research Report
DNA凝縮を制御するためのパラメーター設定に関する基礎研究
Project/Area Number |
10780408
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松澤 有希子 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (10273335)
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Keywords | DNA / 局所反応制御 / 局所温度制御 / 局所イオン制御 / 制限酵素 / 蛍光観察 / ゲノム解析 |
Research Abstract |
本年度の研究計画では主に3つの内容を挙げていた 1) イーストからDNAを抽出し、DNAをゲル電気泳動(共同利用)によって長さを選り分ける。 2) (Liu,Y-G.,ら1994)の方法により、DNAをゲルから抽出する(温度コントロールをしながら)。 3) PEG溶液と混ぜ合わせて、DNAを凝縮化する(温度コントロールをしながら。また、ここでのPEG溶液物理的パラメターを確認する)。 以上のような方法でDNAを凝縮化した結果、DNAの長さによって凝縮物の大きさが比例して変わり、蛍光顕微鏡で観察される凝縮物の蛍光強度の強さが異なることから、数百塩基対あるDNAでもグロビュール化可能であることが分かった。また、温度による凝縮体形成への影響を調べた結果、温度に対する応答が遅く、通常グロビュール状態からコイル状態に移ると知られている温度においても、数分間くらいはほどけずに安定した凝縮構造をとることが分かった。ただ、今回問題にしていた、1本のDNA鎖上にできるグロビュールの数は明らかにできていない。来年度に引き続き検討を行う予定である。 また、DNAの凝縮物を用いた応用として、レーザーによるトラップを試みた。レーザーによるトラップが可能であれば、顕微鏡上で非接触にDNAをマニピュレートすることかできる。凝縮剤としてPEG Mg系を用いて検討した結果、マイクロビーズのトラップ力に比べて小さいがレーザーによりトラップおよび輸送することが可能であることが分かった。さらに、凝縮剤の違いによるトラップ力が異なることが分かった。
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[Publications] Katsura,S.,Hirano,K.,Matsuzawa,Y.,Mizuno,A.他: "Direct Laser Trapping of Single DNA Molecules in the Globular State" Nucleic Acids Research. 26・21. 4943-4945 (1998)