1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10837009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 喜久雄 大阪大学, ラジオアイソトープ総合センター, 助手 (20162696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 幸佳 大阪大学, ラジオアイソトープ総合センター, 教授 (30029243)
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Keywords | 変動磁場 / ゾウリムシ / 酵母 |
Research Abstract |
1.はじめに 単細胞の原生生物の一種であるゾウリムシは細胞表面の繊毛を打つことで水中を泳ぎ回っている。ゾウリムシの泳ぎは細胞内外の電位差である膜電位の変化と強い相関があることが知られている。膜電位の変化は、環境からの刺激が細胞膜にあるイオンチャンネルを通って流れる微小な電流の変化が繊毛打を変え、泳ぎの様式を変えることが明らかにされている。我々は、泳ぎを観察するいくつかの条件を検討した結果、磁場の影響がゾウリムシの遊泳行動に顕著に現れることを見つけた。 2.結果と考察 交流磁場をかける前、ゾウリムシは少しだけセルの上側に集まるが、0.3T以上の交流磁場をかけると磁場強度依存的に液上部により多く集まった。上側に集まり始めたゾウリムシの泳ぎの軌跡を調べたところ、上に向かって泳ぐ細胞数が急激に増大していることが分かった。しかし上側に集まろうとする傾向は一過的で、磁場をかけはじめて数分後には集まる程度が徐々に減少した。交流磁場は、ゾウリムシが元来もっている上部に集まろうとする性質を一過的に強めたものと考えられる。 一方、ゾウリムシを0.58T直流磁場の中にいれると、磁場に対して垂直方向に泳いだ。垂直方向に泳ぐ細胞の比率は、ゾウリムシの泳ぐ液のイオン組成に依存して変化した。すなわち、Ca^<2+>濃度が高いかK^+濃度が低い場合に垂直方向に泳ぐ細胞の比率が上昇した。
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