1999 Fiscal Year Annual Research Report
極低周波の正弦波交流磁場並びに誘導電流が培養細胞の細胞増殖と分化に与える影響
Project/Area Number |
10837010
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山口 久雄 徳島大学, 医学部, 助教授 (90035436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 敬子 徳島大学, 医学部, 助手 (10116858)
池原 敏孝 徳島大学, 医学部, 講師 (40111033)
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Keywords | 骨芽細胞 / ELF交流磁界 / ブラディキニン / エンドセリン-1 / 細胞内Ca^<2+> / 誘導電流 / 細胞分化 |
Research Abstract |
今年度に行なった研究によって得られた新たな知見等の実績は次の通りである。 1.培養骨芽細胞(3T3-E1)における薬物による細胞内Ca2+濃度の一過性変動に及ぼすELF交流磁界及び誘導電流の影響 1)ブラディキニン(BK)による細胞内Ca2+濃度の変動に及ぼす24時間曝磁(60Hz,3mT)の影響を、植え継ぎ培養から3日目にある増殖期と11日目の分化期の細胞について、調べた。増殖期にある細胞の対照群ではBKによる細胞内Ca^<2+>濃度の一過性急激な上昇が見られた。が、曝磁群の細胞ではこの上昇が有意に抑制され、特に細胞外液にCa^<2+>が存在しない時は顕著に抑制された。一方、分化期にある細胞ではBKによる細胞内Ca^<2+>濃度の変動は対照群、曝磁群共に見られなかった。 2)エンドセリン-1(ET)による細胞内Ca^<2+>濃度の変動に及ぼす曝磁の効果を、1)と同様に増殖期と分化期にある細胞で比較した。ETで刺激された増殖期の細胞は、対照群ではBKと同じく細胞内Ca^<2+>濃度の一過性急激な上昇が見られたが、曝磁群の細胞ではこの上昇が外液にCa^<2+>がある無しにかかわらず顕著に抑制された。一方、分化期では増殖期と対称的に細胞内Ca^<2+>濃度の一過性の上昇が両外液とも対照群と比べ有意に促進された。 今後の課題として、種々の磁界強度、各種の周波数が骨芽細胞のもつ増殖、分化誘導機能に及ぼす影響について検討を進める必要がある。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Park,K.H.,Yamaguchi,H.et al.: "Effects of time-varying strong magnetic field on K^+ uptake through Ca^<2+>-dependent K^+ channel."Elect.Magnet.Biol.Med.. 585-588 (1999)
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[Publications] 樫本英樹、山口久雄他: "副腎髄質細胞由来クロマフィン細胞の細胞内カルシウムイオン増加に及ぼす変動磁界の影響"信学技法. 99(178). 55-60 (1999)
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[Publications] Park,K.H.,Yamaguchi,H.et al.: "Effects of ELF magnetic fields in collagen synthesis in osteoblasts."In:Electricity and Magnetism in Biology and Medicine. 585-588 (1999)
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[Publications] 朴 基豪、池原敏孝他: "副腎髄質クロマフィン細胞のアセチルコリンによる細胞内カルシウムイオン増加に及ぼす変動強磁界の影響"日本磁気歯科学会雑誌. 8(1). 35-40 (1999)
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[Publications] 福井康広、池原敏孝他: "ELF磁界による歯根膜誘導電流の解析ー歯槽骨再生の基礎ー、"日本磁気歯科学会雑誌. 8(1). 41-47 (1999)
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[Publications] Ikehara,T.,Yamaguchi,H.et al: "Effects on Rb^+(K^+)uptake of HeLa cells in a high K^+ medium of exposure to a switched 1.7 Tesla magnetic field."Bioelectromagnetics. 21(in press).
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[Publications] 池原敏孝、山口久雄、會沢勝夫: "実用分光法シリーズIV-分光学の医学応用"アイピーシー. 321 (1999)