1999 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリテーション評価のための痙性の臨床的測定法の開発
Project/Area Number |
10838013
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
西村 尚志 信州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10020926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 雅美 信州大学, 医療技術短期大学部, 講師 (50262738)
藤原 孝之 信州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40181416)
木村 貞治 信州大学, 医療技術短期大学部, 講師 (70252111)
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Keywords | 痙性 / リハビリテーション医学 / 筋伸張反射 / 検査・測定法 |
Research Abstract |
痙縮は,相動性筋伸張反射の病的亢進状態として定義され,臨床的には徒手的筋伸張検査法により経験的な分類基準で測定されてきた.しかし普及している尺度は順序尺度であるAshworth Scaleとその変法に限られ,中枢障害の多様な痙縮を測定するためには分類階級が粗く,個別症例の痙縮程度の測定には有用ではない.そこで臨床的に有用な痙縮の測定法を開発する目的で以下の研究を行った. 片麻痺患者24例の肘関節屈伸運動について徒手的筋伸張検査を実施し,その過程で,(1)上腕筋の筋活動(患者と検者の上腕二頭筋と上腕三頭筋の筋電図),(2)肘関節運動(患者と検者に電気角度計を設置),(3)筋伸張反射抗力(患者と検者との間に新たに開発した筋力計を設置),(4)関節運動速度変化(患者の手関節部に加速度計を設置)を測定し,測定結果をデータ分析システムにて検討し,さらに等速性筋力測定装置による相動性筋伸張刺激法による検査と比較検討し,以下の結果を得た. 1.徒手的筋伸張検査による筋伸張反射活動は(1)定型的伸張反射型,(2)類随意同相性運動性,(3)二者の合併型,(4)その他の4型に分類可能であった. 2.断続的な相動性筋伸張刺激を徒手的に加えた時の筋活動の常同性は,検者の随意活動に比し患者の反射活動の方が明らかに強く,検者が意識下で何らかの運動制御を行っていると推定された. 3.等速性筋力測定装置による相動性筋伸張刺激法と徒手的検査法を比較すると,筋伸張反射活動は角速度が同一であるにもかかわらず明らかに後者の刺激による方が高度であり,徒手による筋伸張刺激時に検者が筋伸張反射に対し何らかの交互的制御を行っていると推定された. 以上より今後の研究課題として徒手的筋伸張検査時の検者の筋感覚のさらなる検討が示唆された.
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