1998 Fiscal Year Annual Research Report
3α-ヘリックスバンドル構造ポリアミノ酸誘導体の自己組織膜
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10875193
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井上 賢三 愛媛大学, 工学部, 教授 (90044106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板屋 智之 愛媛大学, 工学部, 助手 (80263961)
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Keywords | ポリ(ベンジル-Lグルタメート) / α-ヘリックス / ホスファゼン / 星型ポリマー |
Research Abstract |
今年度は金表面への化学的吸着能を有し、3α-ヘリックスバンドルポリ(ベンジルグルタメート)の構築が可能となる開始剤の合成について検討した。従来の成果から、ハンドルポリ(ベンジルグルタメート)を与える核として環状ホスファゼンを用いた。4-アミノメチルフェノキシ基を一部または全置換したホスファゼンは環の上下にこれら有機基が存在し、アミノ基から重合し成長した剛直なポリアミノ酸鎖は結果的にバンドル構造をとると考えられる。この開始剤を用いてベンジルグルタメートの酸無水物の開環重合を行った。得られたポリ(ベンジルグルタメート)鎖の分子量を光散乱検出器を用いたGPCから求めると、それらの値はモノマーと開始剤濃度比から計算される値と一致し、分散度はMw/Mn=1.1〜1.2となった。この重合において開始剤のアミノ基に由来する_1HNMRスペクトルのピークはモノマーを加えると直ちに消失した。また、CD及びIRスペクトルからこれらポリマー鎖は右巻きの螺旋構造をとっていることが明らかとなった。これらの結果はホスファゼンを核とした分子量の揃った二次構造が規制されたポリアミノ酸誘導体が得られることを示している。次にこのような重合開始能を持つ開始剤の一部に金表面と結合できるようチオール及びジスルフィドを有する核の合成を行った。この合成においては平面構造をとるホスファゼン環の6個のP-Clの内、同一面内に存在する3個の官能基(P-Cl)を重合開始能を有するアミノ基に、反対面内に金表面と結合するS誘導体を導入する必要がある。しかしながら、ポリマー樹脂を利用した不均一系あるいは逐次的な合成を含め、種々の条件で目的とする開始剤の合成を検討したが、数多くの異性体が生成するため良好な結果は得られなかった。このため、バンドルポリ(ベンジルグルタメート)末端アミノ基のジスルフィド化の検討、並びに金表面をアミノエタンチオールで修飾した後、ホスファゼンと反応させ、その後重合開始能を付与し、分子配行したポリアミノ酸を構築することについて検討を始めている。
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