1999 Fiscal Year Annual Research Report
接触法による有害有機ハロゲン化合物発生抑制機能を賦与したごみ焼却炉壁開発の試み
Project/Area Number |
10878086
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
石田 信伍 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (00102765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 成一郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (00027898)
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Keywords | 炭化ケイ素 / 保護膜 / β-クリストバライト / 触媒担持 / 塩化水素ガス / 酸化チタン / ベーマイト |
Research Abstract |
本年の研究課題は1.耐久性を改善させた炉材の作成と、2.この炉材上への触擦活性物質(TiO_2,ZrO_2など)の担持と有機ハロゲン化合物の熱分解試験であった。これら2つの課題に対応する実績を以下に記す。1.多孔性SiCにCaとAlの塩化物のアルコール溶液を含浸し、1400℃に加熱してβ-クリストバライトの膜を作った。この保護膜は室温→1400℃の加熟・冷却操作で破壊されることなく、ほぼ完全に内部のSiCを保護した。成果は学会で口頭発表するとともに、学会誌に投稿、現在審査中である。また、この研究成果は炉材会社にとっては重要なもののようで、業界からの問い合わせもある。ベーマイトAlOOHにBaを吸蔵麦させ加熱して得た遷移アルミナは1400℃に加熱してもα-アルミナに転移せず高表面積を維持した。これより、このものは高温燃焼触媒の担体として利用できることが示唆された。 2.保護膜を構成するβ-クリストバライトとHClガスやTiO_2との高温での反応を調べた。HClガスはβ-クリストバライトに固溶したCaとは低い温度では反応するが、1000℃近くの高温では反応しないことが分かった。また、TiO_2とは、1400℃以下では反応しないことが分かった。これから、SiC上にβ-クリストバライト保護膜をつくり、さらにこの上にTiO_2を担持したものは、炉材と触媒機能を兼ね備えた、有機ハロゲンの良い燃焼材料となることが推定された。なお、B_2O_3のような酸性の強い物質はβ-クリストバライトよりCaを引き抜くため、β-クリストバライトはα-クリストバライトになる。この場合、加熱・冷却の繰り返しでこの膜は破壊され保護膜としては機能しない。有機ハロゲンの熱分解試験は現在装置をつくり、予備実験をしている段階である。
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Research Products
(1 results)