2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハプティクス通信と人間ロボットインタラクションのための高性能バイラテラル制御系の研究
Project/Area Number |
10F00068
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大石 潔 長岡技術科学大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ミッサンティスク チャワリット 長岡技術科学大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | バイラテラル制御 / 外乱オブザーバ / フレキシブルアクチュエータ / 医療用ロボット / FPGA / ペルティエ素子 / 温度制御 |
Research Abstract |
センサは視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚などの人間の五感に相当するものであり、主にロボットが反力や、温度などの外界の物理的な状態と自分の状態を把握するために使用されている。ここでは、センサ統合に基づくオブザーバの高性能化や仮想の堅さや仮温度を行う技術として新しい外乱オブザーバと仮想のモード変換情報システムを提案する。 代表者らはハプティクス通信と人間ロボットインタラクションのための高性能バイラテラルシステムを実現するために,その実験装置としてミニチュアストロークを用いた新しい設計のフレキシブルアクチュエータとペルティエ素子とに使用し,研究を行ってきた。平成23年度は、従来のフレキシブルアクチュエータと提案法のフレキシブルアクチュエータの摩擦とバックラッシュの同定を行い、解析した。提案したミニチュアストロークの設計は直径1mmのボールを用いた精密転がり軸受で、直線運動と回転運動およびそれらの複合運動が可能である。摩擦同定の結果を従来法と提案法で比較すると、摩擦が約半分に低減されていることが確認できた。また、位置制御によりミニチュアストロークの新しい設計法においてはそのモータ側とエンドエフェクタ側の位置応答の誤差が低減される。バックラッシュを補償するために、エンドエフェクタ側にエンコーダーを設置して、PD位置制御とモード変換を提案し、その有効性を実験において検証した。本研究で提案した、新しい設計のフレキシブルアクチュエータは医療福祉分野のさらなる応用や発展が期待できる。 また、安定な仮温度制御とロバスト性向上のために、FPGAを用いて最適な温度指令値を計算して熱外乱オブザーバに基づいた温度制御を提案する。実験結果から、提案するペルティエ素子システムは温度指令値と推定した温度応答と一致させることに対して有効であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
考案した各種手法に関する実機実験を行い、提案するシステムの定量的な評価・検討を行ってその有効性を明らかにした。理論は実験結果とよく一致することが確認された。また,これらの研究成果とプレゼンテーション能力に対し、国内外の学会で発表し、IEEEなどの論文を投稿することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
安定な接触動作とロバスト性向上のために、外乱オブザーバと反力推定オブザーバが提案されている。しかしながら、外乱オブザーバでは柔軟機構を有するシステムの振動の影響により、負荷側外力を推定する誤差が問題になる。一般に、柔軟性に起因する機械共振が存在するので、二慣性共振系としてモデル化する。今後の研究としては負荷側の外力を推定するために、マルチエンコーダに基づいた外乱オブザーバ(MDOB)を提案する。共振による振動を軽減するために、共振比制御を適用する。係数図法を使用して、最適な力制御のための共振比制御のパラメータに決定することができる。また,実機実験によって得られたデータを整理し、国内外の学会で発表し、査読付き学術論文誌を投稿すると考えている。
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Research Products
(20 results)