2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J01265
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蔦谷 充伸 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | オペラード / 写像空間 / A_n空間 / ゲージ群 / ホモトピー論 / リー群 / ファイバーワイズ空間 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、A_n空間やそのゲージ群への応用を研究した。 A_n空間はオペラードの作用する空間の中では最も基本的なものであり、たとえば位相群はA_∞空間の例になっている。 一方でゲージ群はホモトピー論的には比較的単純な構造をしている(球面上の主束のゲージ群は構造群の構造群の多重ループ空間による位相群としての拡大)が、A_n空間としての分類を考えると興味深い振る舞いをすることが初年度の研究によりわかっている。 今年度はその振る舞いの解明を推し進めるため、A_n空間の引き戻しについて研究した。 これによりゲージ群への応用として、次の結果を得た。 下記の1本目の論文で得られたファイバーワイズA_n空間の分類定理を精密化することにより、分類写像を基点を保つ写像のホモトピー類で考えたものに対応する結果を得た。 これにより、各素数p毎に局所化した結果を局所化する前のゲージ群に適用できるようになった。 結果として構造群がSU(2)の場合のゲージ群のA_n空間としての分類を精密化することに成功し、また、構造群として他のリー群をとった場合にも、部分的ではあるが一般化することに成功した。 これらの結果は現在論文として執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲージ群のホモトピー型の分類は構造群をSU(2)に限定してもA_1型が分類されたのが1991年、A_2型が分類されたのが2000年、A_∞型が分類されたのが2001年であることを考慮すれば、より複雑な一般のA_n型の分類は、完全にできていないとはいえ(球面の高次ホモトピー群などが関係しているため、完全な分類はほぼ不可能と思われる)、現状の進展度は十分順調であるといえる。加えて、A_n空間の理論的基礎の整備が十分なされてはいない中、その整備も同時進行しているので、現状としてはオペラードとしてもっとも単純な結合多面体の研究のみであるとはいえ、十分な結果が出ているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
上に記したように、論文の執筆を完成させるため、A_n空間の引き戻しの応用として、ゲージ群とは限らない簡単な具体例などを考える。また、今年度の研究の過程でA_n空間の間の射として考えられている「A_n写像」の合成について整理することができるのではないかということが示唆されたので、その方向での研究を検討している。
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