2012 Fiscal Year Annual Research Report
成体動物を用いた多ニューロン画像法で海馬病態システムに迫る
Project/Area Number |
10J05408
|
Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
佐々木 拓哉 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 神経生理学 / イメージング / 海馬 / ニューロン / 活動電位 / アストロサイト / 軸索 / カルシウム |
Research Abstract |
蛍光電極を用いた軸索パッチクランプ法を詳細に記述した論文を執筆し、本研究成果はNature Protocols誌およびNeuroscience Research誌に掲載された。ニューロンでは、細胞体で脱分極が起こった際、活動電位の幅が増大するが、この増幅がどのように軸索を伝播していくかを解析した。海馬CA3野の錐体細胞より軸索パッチクランプ記録を行い、軸索の長さと分枝数に依存して、伝播する活動電位の幅が減衰して正常に戻ることを見出した。本研究成果はJournal o fNeuroscience誌およびJournal o fPhysiology誌に掲載された。 また、光感受性チャネルタンパク質を発現する遺伝子改変動物の導入に取り組んだ。本研究では、チャネルロドプシン2をアストロサイトに選択的に発現した遺伝子改変マウスを用いて、これらのアストロサイトを光刺激すると、神経活動が誘発されたことを明らかにした。また、スライス標本を用いた解析から、グリア細胞の光刺激により、グルタミン酸が放出され、小脳プルキンエ細胞のAMPA受容体を活性化させることが明らかになった。また、平行線維-プルキンエ細胞間のシナプスにおいては、グリア細胞の光刺激により、長期的な可塑性が観察された。さらに個体行動の解析から、グリア細胞の光刺激により誘発された神経活動は、小脳依存性の運動学習を制御するのに十分であることが示された。以上の結果から、グリア細胞が神経活動や個体行動を制御し、脳内の情報処理において重要な役割を担っていることが示唆された。 さらに、平成22年度に所属した埼玉大学との共同研究により、高感度の蛍光カルシウムセンサータンパク質の開発に成功し、PLoS ONE誌に2報の論文を掲載した。
|
Research Products
(14 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Expanding the repertoire of optogenetically targeted cells with an enhanced gene expression system2012
Author(s)
K. Tanaka, K. Matsui, T. Sasaki. H. Sano, S. Sugio, K. Fan, K. Ikenaka, R. Hen, J. Nakai, Y. Yanagawa, H. Hasuwa, K. Deisseroth, A. Yamanaka
-
Journal Title
Cell Reports
Volume: 2
Pages: 397-406
DOI
Peer Reviewed
-
-
-