1999 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマーネットワークの分子シンクロナイゼーションを利用した化学エネルギー・情報変換
Project/Area Number |
11167234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡辺 正義 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60158657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹岡 敬和 横浜国立大学, 工学部, 助手 (20303084)
今林 慎一郎 横浜国立大学, 工学部, 講師 (50251757)
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Keywords | 分子シンクロナイゼーション / ポリマーネットワーク / 化学エネルギー変換 / 化学情報変換 / 多分岐高分子 / イオン伝導体 / ハイドロゲル / 分子認識 |
Research Abstract |
弱い相互作用のバランスでその構造が規定されているソフトなポリマーネットワークでは、一部の機能団の受けた外部刺激による微弱な摂動が質的に変換され、この弱い相互作用の分子ネットワークを通して時間的・空間的にシンクロナイズして伝達されるという現象がしばしば見られる。すなわちこの弱い相互作用のネットワークは、構造を形成するネットワークであると同時に、情報やエネルギーの伝達と変換を司るネットワークとして機能し得る。本研究の目的は、ポリマーネットワークの分子シンクロナィゼーション現象を、新しい化学エネルギー・情報の伝達および変換系創製のための革新的方法論にしようとするものである。化学エネルギー変換系では、ポリマーネットワーク中のイオン輸送現象や界面電子移動反応が高分子鎖の局所的分子運動とシンクロナイズして起きることに着目、高分岐型ポリエーテルのマクロモノマーおよびこの重合体およびの合成法を確立し、これまでに無い高いイオン伝導性かつ電極界面での迅速な電子移動反応性を有する分子シンクロイオン伝導体を創製した。また、化学情報変換系では、申請者らが見いだした神経伝達物質に対し分子特異的・選択的な膨潤度変化を起こす分子認識ゲル(N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)とアクリル酸(AAc)あるいはN-アクリロイルアラニン(NAAla)との共重合ゲル)の、大きなコンフォメーション変化を伴う膨潤収縮性と分子認識性の同時発現に、如何に分子シンクロナイゼーション現象が関与しているかを検討した。その結果、ゲスト分子である神経伝達物質存在下でのゲルの重合過程で、網目密度の高い相と網目密度の低い相に相分離して行くことが、分子特異的・選択的な膨潤度変化発現に対して極めて重要な役割を果たしていることを見出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A. Nishimoto, K. Agehara, N. Furuya, T. Watanabe, M. Watanabe: "High Ionic Conductivity of Polyether-Based Polymer Electrolytes Having Hyperbranched Side Chains"Macromolecules. 32. 1541-1548 (1999)
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[Publications] T. Saito, M. Watanabe: "Electron Transfer Reaction from Glucose Oxidase to an Electrode via Redox Copolymers"Polym. J.. 31. 1149-1154 (1999)
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[Publications] M. A. B. H. Susan, K. Tani, M. Watanabe: "Surface Activity and Redox Behavior of Nonionic Surfactants Containing an Anthraquinone Group as the Redox-active Site"Colloid & Polym. Sci.. 277. 1125-1133 (1999)
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[Publications] J. Amanokura, Y. Suzuki, S. Imabayashi, M. Watanabe: "Preparation of Polypyrrole/Polymer Electrolyte Composites with Concentration Grandient of Polypyrrole as Cathode/Electrolyte Material for Lithium Secondary Battery"Electrochemistry. 67. 1159-1161 (1999)
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[Publications] M. A. B. H. Susan, M. Begum, Y. Takeoka, M. Watanabe: "Effect of pH and the Extent of Micellization on the Redox Behavior of Nonionic Surfactants Containing an Anthraquinone Group"J. Electroanal. Chem.. (in press).