2000 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマーネットワークの分子シンクロナイゼーションを利用した化学エネルギー・情報変換
Project/Area Number |
11167234
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡辺 正義 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60158657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹岡 敬和 横浜国立大学, 工学部, 助手 (20303084)
今林 慎一郎 横浜国立大学, 工学部, 講師 (50251757)
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Keywords | 分子シンクロナイゼーション / ポリマーネットワーク / 化学エネルギー変換 / 多分岐高分子 / イオン伝導 / 固体電解質 / ポリマー電池 / ボリピロール |
Research Abstract |
弱い相互作用のバランスでその構造が規定されているソフトなポリマーネットワークでは、一部の機能団の受けた外部刺激による微弱な摂動が質的に変換され、この弱い相互作用の分子ネットワークを通して時間的・空間的にシンクロナイズして伝達されるという現象がしばしば見られる。すなわちこの弱い相互作用のネットワークは、構造を形成するネットワークであると同時に、情報やエネルギーの伝達や変換を司るネットワークとして機能し得る。本研究の目的は、ポリマーネットワークの分子シンクロナイゼーション現象を新しい化学エネルギー・情報変換系創製のための革新的方法論にしようとするものである。本年度は化学エネルギー変換系の成果を報告する。負極/電解質/正極構造を有する化学電池は、反応のギブスエネルギー変化を直接電気エネルギーに変換可能なシステムであり、現在実用レベルに至っている最も高度に発達した材料システムの1つである。セル中では界面電子移動反応、電解質中のイオン輸送、および外部回路中の電子輸送がシンクロナイズして起きることにより効率的なエネルギー変換が達成される。本研究では、この電解質部分に従来の液体に代わりポリマーネットワークを用いることを試み、このポリマーネットワークの局所運動とイオン輸送や界面電子移動反応をシンクロナイズさせた効率的な化学エネルギー変換システムの実現を図った。その結果、これまでに無い高いイオン伝導性かつ電極界面での迅速な電子移動反応性を有する高分子固体電解質を創製した。さらにこの固体電解質を用いた電解重合により高効率化学エネルギー変換デバイスのその場構築の可能性を見いだした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] A.Noda: "Highly Conductive Polymer Electrolytes Prerared by in situ Polymerization or Vinyl Monomers in Room Temperature Molten Salts"Electrochim.Acta. 45. 1265-1270 (2000)
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[Publications] M.Kono: "Characterization or Polymer Gel Electrolytes Based on a Poly (alkylene oxide) Macromonomer for Application to Lithium Batteries"J.Electrochem.Soc.,. 147. 2517-2524 (2000)
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[Publications] S.Imabayashi: "Amperometric Detection of Polyphenols Using Peroxidase-Immobilized Gold Electrodes"Chem.Lett.. 2000. 1020-1021 (2000)
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[Publications] Ismail: "XPS Study of Lithium Surface after Contact with Lithium-Salt Doped Polymer Electrolytes"Electrochim.Acta. (in press).
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[Publications] J.Amanokura: "Polypyrrole/Polymer Electrolyte Composites Prepared by In-situ Polymerization of Pyrrole as Cathode/Electrolyte Material for Facile Electron Transfer at the Solid Interface"J.Electrochem.Soc.. (in press).
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[Publications] A.Noda: "Pulsed-Gradient Spin-Echo ^1NMR and ^<19>F NMR Ionic Diffusion Coefficient, Viscosity and Ionic Conductivity of Non-Chloroaluminate Room Temperature Ionic Liquids"J.Phys.Chem.B. (in press).
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[Publications] 渡辺正義 (分担執筆): "季刊化学総説No.48 新型電池の材料化学"学会出版センター (印刷中).
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[Publications] 渡辺正義 (分担執筆): "電気化学"丸善 (印刷中). . (2001)