2001 Fiscal Year Annual Research Report
フォトンファクトリーにおける生物マシーナリー研究のためのより効率的な放射光利用法
Project/Area Number |
11169241
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
鈴木 守 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (40280507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上久保 裕生 奈良先端科学技術大学院大学, 助手 (20311128)
松垣 直宏 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (50342598)
五十嵐 教之 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (80300672)
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Keywords | タンパク質結晶学 / シンクロトロン放射光 |
Research Abstract |
本研究班では効率的な放射光利用のために回折データ収集の自動化をおよび構造解析の迅速化を達成することを目的とした。 昨年度までの本研究領域予算により、ADSC社のQuantum4R CCD検出器システムを導入し、回折データ測定の自動化をほぼ達成した。本測定システムを「生物マシーナリー」メンバーをはじめとするユーザーに開放しているが、2年に亘り非常に安定して稼動している。これまでに多くの蛋白質構造決定に活用されている。 さらなる効率的な放射光利用/構造解析のためには、構造解析に必要な回折データは取り逃さず、逆に無駄な(構造解析に使えない)データは出来るだけ取らないことが必要である。そのためには、回折データ収集中もしくは収集直後に1)回折データの処理2)重原子の位置決定・位相計算を可能にする必要がある。今年度はこれを達成するために高速演算処理装置(Linux計算機)及び、構造解析用ソフトウェア(多くのユーザーの研究室で使用されているもの)を導入した。これにより、構造解析プロセスのほとんどがビームラインで実行可能になった。すでに多数のユーザーにより使用され、ビームタイム中での構造解析が可能になりつつある。 また、実際の蛋白質結晶で構造解析を本研究班で導入した測定システムとLinux計算機を用いて試みた。その結果、本研究班員が参加する「細胞内輸送に関係する蛋白質とシグナルペプチドとの複合体」の構造解析に成功し、輸送の初期段階の分子認識に重要なサブユニット間の相互作用を明らかにした。これは本研究班で導入したシステムの有効性を示すものである。
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[Publications] T.Shiba: "Structural basis for recognition of acidic-cluster dileucine sequence by GGA1"Nature. 415. 937-941 (2002)
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[Publications] N.Sakabe: "Automatic Weissenberg data collection system for time-resolved protein crystallography"Nucl. Instrum. Methods. A467-A468. 1367-1371 (2001)
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[Publications] Y.Yamada: "Crystallization and preliminary X-ray analysis of catalase-peroxidase from the halophilic archaeon Haloarcula marismortui"Acta Cryst.. D57. 1157-1158 (2001)
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[Publications] I.Yoshizaki: "Systematic analysis of supersaturation and lysozyme crystal quality"Acta Cryst.. D57. 1621-1629 (2001)