1999 Fiscal Year Annual Research Report
環太平洋の「消滅に瀬した言語」にかんする緊急調査研究
Project/Area Number |
11171101
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮岡 伯人 京都大学, 文学研究科, 教授 (60002979)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津曲 敏郎 北海道大学, 文学部, 教授 (80113588)
長野 泰彦 国立民族学博物館, 教授 (50142013)
崎山 理 国立民族学博物館, 教授 (10030131)
渡辺 己 香川大学, 経済学部, 助教授 (30304570)
峰岸 真琴 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (20190712)
|
Keywords | 環太平洋 / 言語調査 / 包括的言語記述 / 言語の消滅 / 危機言語 / 語彙・文法・テキスト / 少数民族言語 / フィールド言語学 |
Research Abstract |
1.本格的研究開始に先立つ予備的活動: 総括班の研究協力者をも加えた拡大総括班会議を2回開き(平成11年10月、平成12年3月上旬)、平成12年度以降の領域の推進方法と具体的な活動計画をたて、(予定される)調整班別打ち合わせ会議を1ないし2回開き、個々の活動計画と計画研究内容の検討を行った。 2.海外および国内での調査活動: 平成12年度以降の現地調査にそなえ、総計27名(研究協力者を含む)がのべ500日近くにわたって海外で実態把握(対象言語の確認、その社会状況、使用状況)、現地あるいは相手国の調査許可申請、現地での調査協力者(インフォーマント)との関係の確立、海外の研究者との共同研究打ち合わせ、調査資料蒐集などの予備的活動を行った。国内では、日本班が方言調査地点の確定、現地協力者の確保、予備調査、国内に散在する調査資料の所在確認などを行った。 3.調査のための資料整備: すでに蓄積されてきたデータ(危機言語情報、基礎語彙集、文字資料、など)を電算機入力し、調査研究のための基礎資料の整備を図った。一部では、これまでの研究実績をふまえたうえでのデータベース化も始めた。 4.広報活動: 参加者間の連絡および外部に向けた広報活動(大部分)と成果公刊(の一部)にインターネットを活用することとし、領域参加予定者全員のメールアドレスの整備をおえ、10月上旬に京都大学文学部・文学研究科にホームページのサイトを開設し(http://www.elpr.bun.kyoto-u.ac,jp)、「研究の目的と概要」「総括班組織」などを公開することで領域の発足を内外にアピールするとともに、公募研究の案内、計画調書作成のための情報提供などをすることによって、平成12年度からの本格的なスタートに向けて必要な広報活動を開始した。その後、定期的に更新と改訂を行い、徐々に内容の充実を図っている。
|
Research Products
(16 results)
-
[Publications] 宮岡伯人: "危機言語への日本の貢献"月刊言語. 29・4. 108-115 (2000)
-
[Publications] Miyaoka, Osahito: "Endangered Languages : The Crumbling of the Ecosystem of Language and Culture"http://www.elpr.bun.kyoto-u.ac.jp. 1-7 (1999)
-
[Publications] Miyaoka, Osahito: "Morphologie verbale en yupik alaskien central"Faits de Langues. 1-24 (2000)
-
[Publications] 崎山理: "太平洋地域の危機言語"月刊言語. 28・2. 102-111 (1999)
-
[Publications] Sakiyama, Osamu: "Nominals of Fatamanue, Seram Maluku : A sub-grouping Argument in Central Mayalo-Polynesian"国立民族学博物館研究報告. 24・3. 467-484 (1999)
-
[Publications] 津曲敏郎: "北アジア諸言語は今--近代化と伝統のはざまで"月刊言語. 28・5. 106-113 (1999)
-
[Publications] 峰岸真琴: "水を通じて広がった世界--言語地域としての東南アジア大陸部"月刊言語. 28・8. 118-126 (1999)
-
[Publications] 渡辺己: "抑圧と同化のなかで消えゆく北米インディアン諸語"月刊言語. 28・4. 98-105 (1999)
-
[Publications] 笹間史子: "ツィムシアンのことばと文化"アークティック・サークル. 34. 15-17 (2000)
-
[Publications] 池田巧: "東洋学と音声記号"人文学と情報処理. 24. 8-14 (1999)
-
[Publications] 角田太作: "フィールドワーカーの任務と倫理"月刊言語. 29・2. 106-112 (2000)
-
[Publications] 真田信治: "方言の意識化と方言の実体"庄司博史編「ことばの二〇世紀」ドメス出版. 180-193 (1999)
-
[Publications] Miyaoka, Osahito ed.: "Languages of the North Pacific Rim, Vol. 5"京都大学文学研究科宮岡研究室刊. 145 (2000)
-
[Publications] 長野泰彦: "時間・ことば・認識"ひつじ書房. 338 (1999)
-
[Publications] 坂本比奈子他: "1998年度海外現地調査研修報告書"麗澤大学大学院言語研究科. 113 (1999)
-
[Publications] Watanabe, Honore: "A Morphological Description of Sliammon, Mainland Salish"京都大学博士論文(文学). 500 (2000)