2000 Fiscal Year Annual Research Report
縁辺海の環境変化に関わる化学物質のモニタリングの基礎研究
Project/Area Number |
11205206
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡邉 修一 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00167131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 英一郎 磁賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50108982)
成田 尚史 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (50250501)
角皆 静男 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (00001587)
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Keywords | GOOS / 環境変化 / 縁辺海 / 日本海 / CFCs / 炭酸系 / 二酸化炭素 / モニタリング |
Research Abstract |
海洋環境変化に伴う化学物質のモニタリングを行うには、化学物質分析に関してきちっとした指針を作り、その方法を継続することが重要である。しかし、現在明らかにしなければならない変化は小さく、方法論としても困難であるばかりでなく、変化を明らかにすることが可能であるものであることを検証する必要がある。本研究では、温暖化と関係の深い炭酸種とそれに関わる成分、化学トレーサー、溶存ガス成分の測定法について正確な値を得る方法を検討し、さらに、環境変化を敏感に反映しているといわれる日本海を実験海域としてその北東部で前述項目の測定を行い、環境変化を明らかにする有効手段であるかを検証する。 より詳細な分布が得られ、正確さが得易い分光学的手法を用いたpH測定を基本にアルカリ度、二酸化炭素分圧の測定について検討を行った。アルカリ度は、pH3.6付近の海水組成の標準物質と古典的な一点滴定法(一定量の酸を試水に加え、過剰の塩酸量をpHから算出し、アルカリ度を求める方法)を用いることで精度0.1%の測定を行え、測定中の機器の変動を補正することが可能となった。気体透過膜をかいして気体平衡にした溶液のpHから海水の二酸化炭素分圧を算出する方法に用いる交換膜にポーラステフロンを用いることを検討したところ応答が良くなった。 2000年度9月から10月にかけて、北海道大学水産学部練習船北星丸を用いて日本海北東部で、過去に化学トレーサーの一つであるCFCsの測定が行われている観測点を含む10点で、温度、塩分、栄養塩、溶存酸素、炭酸種(全炭酸、pH、アルカリ度)、CFCsの高精度測定を行った。過去とのCFCsの比較を行ったところ過去に測定値のある観測点全てでCFCsの増加が見られ、その増加は、大気中の増加に呼応するものであった。全観測点の深層に人為起源のCFCsが検出でき、短時間に表層水の影響が深層までおよんでいることがわかった。大気中二酸化炭素の増加に伴う全炭酸の増加は、過去に精度の高いデータが無いので行うことはできないが、今後の変化を明らかにするために必要なデータが得た。
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Research Products
(1 results)