2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11208101
|
Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
藤井 理行 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 教授 (20125214)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福地 光男 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 教授 (80099936)
東 久美子 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (80202620)
山内 恭 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 教授 (00141995)
麻生 武彦 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 教授 (10026255)
神田 啓史 国立極地研究所, 資料系, 教授 (70099935)
|
Keywords | 北極 / 気候変化 / 温暖化 / 北大西洋振動 / 炭素循環 / ツンドラ植生 / 雪氷コア / ポリニア |
Research Abstract |
1.北極域で最も温暖化が進行しているシベリアを中心としたユーラシア大陸における1965年から1995年の過去30年の温暖化及び降水量変動の実態を、旧ソヴェト(現独立国家共同体)における106の観測地点での気候データを解析し明らかにした。その結果、温暖化は冬季に顕著に進行していること、冬季では、最低気温の上昇が特に顕著であることが明かとなった。冬季の最低気温の上昇は旧ソヴェトのほぼ全域で起っており、その速度は1〜3.5℃/10年である。地域的には、中央シベリア南部で顕著である。また、降水量はユーラシア大陸の西部で夏季及び冬季に増加している他は、降水量の減少が広域に進行していることが明かとなった。 2.北極圏における短期の気候変動として重要な気候モードである北大西洋振動を、雪氷コア気候シグナル、ノースウォータポリニア海域面積、ニーオルスン気温で検証した。 3.北極のツンドラ植生域、グリーンランド海域における炭素循環観測結果から、いずれの地域も炭素吸収域であることが明かとなった。 4.総括班会議を4回開催し、各計画研究班の進捗状況の確認、計画班間の連携調整、野外観測時における安全確保の確認などを行った。また、3月には大気、雪氷各分野で研究小集会を開催し、雪氷圏と気候に関わる連携研究を検討した。 5.将来の研究観測点の展開を視野に、北極圏ロシアにおける観測網の再構築に関する国際北極科学委員会の会合に参加した。 6.中間評価のヒアリングを受け、Aの評価を得た 7.この他、ニュースレターNo.4を発行し、600を超える関連研究者と関連研究機関に配付した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Thomason, L.W.: "Arctic Study on Tropospheric Aerosol and Radiation : Tropospheric aerosol extinction profiles measured by airborne photometer and SAGE II"Geophys.Res.Lett.. 30(in press). (2002)
-
[Publications] Deming, J.W., Fortier, L, Fukuchi, M.: "The International North Water Polynya Study(NOW) : a brief overview"Deep-Sea Res. II. 49. 4887-4892 (2002)
-
[Publications] M.Uchida, H.Muraoka, T.Nakatsubo, Y.Bekku, T.Ueno, H.Kanda, H.Koizumi: "Net Photosynthesis, respiration, and production of the moss Sanionia uncinata on a glacier foreland in the High Arctic, Ny-Ålesund, Svalbard"Arctic, Antarctic, and Alpine Research. 34・3. 287-292 (2002)
-
[Publications] Hara, K.: "Vertical features of sea-salt modification in the boundary layer of spring Arctic during the ASTAR 2000 campaign"Tellus. 54B. 361-376 (2002)
-
[Publications] Goto-Azuma, K.: "An ice core record over the last two centuries from Penny Ice Cap, Baffin Island, Canada"Annals of Glaciology. 35(in press). (2002)
-
[Publications] Matoba, S.: "Ice core chemistry of Vestfonna Ice Cap in Svalbard, Norway"J.Geophys.Res.. 107,D23. 4721-4727 (2002)
-
[Publications] 藤井理行: "地球温暖化(第1章 極地の氷は地球環境のタイムカプセル)"日本化学会編. 173 (2002)