2002 Fiscal Year Annual Research Report
都市域における破壊的強震動の高精度予測に関する研究
Project/Area Number |
11209201
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 知孝 京都大学, 防災研究所, 助手 (80211762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筧 楽麿 神戸大学, 理学部, 助手 (30294193)
釜江 克宏 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (50161196)
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Keywords | 強震動予測 / 日米共同研究 / 強震記録 / 不均質震源 / 特性化震源モデル / エンベロープインバージョン / 震源近傍強震動 / 地下構造モデル |
Research Abstract |
これまでに蓄積されてきている強震動予測手法にもとづいて,震源モデルの高精度化を目指した実記録に基づく震源過程の推定と,国内外の被害地震をターゲットとした強震動評価を実際に行い,その方法の妥当性を検証している. スラブ内地震である2002年芸予地震(Mw=6.8)の震源過程を,高密度展開されている強震観測網データを用いて分析し,複雑な断層面モデルの必要性を示した.また,破壊伝播様式と強震波形の特徴について考察を行った. 梢深発のスラブ内地震の震源特性を,地殻内地震との対比で比較した.応力降下量の深さ依存性が示唆されている. 運動学的震源インバージョンで得られた断層面上のすべりの時空間分布をもとに,動的な情報である応力履歴を推定し,特性化震源モデルの応力降下量の推定を行った.アスペリティ領域は10-20MPa,非アスペリティ領域は1-5MPa程度であり,非アスペリテイ領域の短周期への寄与が小さいことが示唆された. 被害地震の強震記録や被害分布をターゲットとして,特性化震源モデル及び地下構造モデルに基づいて,あるいは経験的(統計的)グリーン関数法によって強震動評価を行い,モデルの検証を行った.特性化震源モデルに基づく強震動予測方法の妥当性が示されている.これらの研究成果の一部は次ページに示されている. 2002年10月に米国研究者及び国内の強震動研究者での合同ワークショップを行い,上記の研究成果を中心として最新の研究成果の情報交換と強震動予測の高精度化,及びターゲットとする強震動研究に関する議論を行った.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 岩田知孝, 関口春子: "2000年鳥取県西部地震の震源過程と震源域強震動"第11回日本地震工学シンポジウム論文集. 1. 125-128 (2002)
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[Publications] Sekiguchi, H., K.Irikura, T.Iwata: "Source inversion for estimating continuous slip distribution on the fault -introduction of Green's functions convolved with a correction function to give moving dislocation effects in subfaults -"Geophys. J. Int.. 150. 377-391 (2002)
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[Publications] 入江紀嘉, 福元俊一, 釜江克宏: "1945年三河地震(Mj=6.8)時の強震動の再現"日本建築学会構造系論文集. 559. 63-70 (2002)
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[Publications] 釜江克宏, 入倉孝次郎: "トルコ・コジャエリ、台湾・集集地震の震源の特性と強震動シミュレーション"第11回日本地震工学シンポジウム論文集. 545-550 (2002)
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[Publications] 筧 楽麿: "高密度強震観測網データから推定する2001年芸予地震の震源断層面と震源過程"日本地震学会講演予稿集. A65 (2002)
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[Publications] 岩田知孝, 関口春子: "月刊地球号外37総特集「最近の強震動予測研究-どこまで予測可能となったのか?」"強震記録に基づく最近の地震の震源インバージョン. 47-55 (2002)