1999 Fiscal Year Annual Research Report
有機メッキ法によるマグネシウム合金の表面機能化と複合化
Project/Area Number |
11225201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
森 邦夫 岩手大学, 工学部, 教授 (80003870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平原 英俊 岩手大学, 工学部, 助手 (30241491)
大石 好行 岩手大学, 工学部, 助教授 (90194076)
熊谷 直昭 岩手大学, 工学部, 教授 (30003875)
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Keywords | トリアジンジチオール / 有機メッキ / 耐食性 / 皮膜剥離 / 原料回収 / 接着物の冷感破壊 / 磁気処理分別 |
Research Abstract |
マグネシウム合金のリサイクル使用を目的として、2-置換(R)-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオール(トリアジンジチオール)の有機メッキによる腐食防止、ゴム・プラスチックスの直接接着、皮膜の剥離法、ゴム・プラスチックとマグネシウム合金の分解法およびこれら混合物の分離法を研究した。まず、マグネシウム合金に対するトリアジンジチオールの有機メッキにおいてはトリアジンジチオールの重合反応とマグネシウムの酸化および水酸化反応が同時に起こり、20℃付近での有機メッキにおいて重合反応が優先した。有機メッキにおける電解質の種類と濃度、最適な重合電位と電流密度、およびトリアジンジチオールの種類(置換基Rの種類)と濃度と皮膜の性質および電気化学的耐食試験(コール-コールプロットおよび分極抵抗)関係を検討し、電解質は1M-NaOH水溶液、重合電位は1.8〜2.0Vvs.SCE,電流密度0.2〜0.4mA/cm^2,R=-N(C_6H_<13>)_2が最も緻密な皮膜を生成し、耐食性が向上した。特にトリアジンジチオールの置換基の影響が大きく、アルキル鎖長が長すぎても又短すぎても緻密な皮膜は得られなく、処理マグネシウム合金の耐食性も向上しなかった。置換基のアルキル鎖数も現在のところ、2本鎖が最も緻密で耐食性の皮膜を与え、副反応を抑制した。2-ジアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジチオールで処理したマグネシウム合金は種々のゴムおよびプラスチックと直接接着(接着剤を使用しない接着法)が可能であり、機能化に成功した。処理マグネシウム合金から皮膜の除去はデトラヒドロフランに浸漬することによって、剥離できる。また、ヒドラジンやNaBH4含有テトラヒドロフランに浸漬すると、皮膜が剥離され、かつトリアジンチオールの原料が回収できた。接着物は冷感破壊により混合物として分離され、磁気処理によりこれらが分別されることが分かった。
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[Publications] 森 邦夫、平原英俊、大石好行: "6-ジアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールの有機メッキに及ぼすNaNO2の促進作用"表面技術. 50. 68-74 (1999)
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[Publications] 森 邦夫: "トリアジンチオールを用いる"有機メッキ"と応用技術"表面技術. 51・3. 1-8 (2000)