2000 Fiscal Year Annual Research Report
クリーン化学プロセス構築のためのマルチ機能固体超強酸の設計
Project/Area Number |
11305058
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥原 敏夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (40133095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 裕介 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (60322848)
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Keywords | 超強酸 / 水中触媒反応 / ヘテロポリ酸 / 疎水性 / 固体触媒 |
Research Abstract |
現在の化学工業プロセスではH_2SO_4,HFやAlCl_3を用いる古典的なものが多くあり、廃触媒の処理や反応系の分離に莫大なコストを費している。本研究ではこれらのプロセスを水中で機能する固体触媒に置き換え、コストの大幅減と環境にやさしいクリーン化学プロセスが実現を目指した。本年は水中で機能する触媒素材としてヘテロポリ酸性塩を選び、高難度反応であるホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)を用いたベンゼンからのジフェニルメタンおよびアクリロニトリルからのアルキルアミド合成を検討した。ジフェニルメタン合成ではH_3PW_<12>O_<40>のCs2.5塩は十分な性能を示さず、固体酸の中ではスルホン化高分子樹脂のシリカ複合体が最も高収率を与えた。しかし、高分子触媒であるため、熱安定性が低く、触媒劣化が激しかった。そこで、固体触媒の代わりに、高濃度へテロポリ酸水溶液を用いる二層系反応を検討した。この系では下層の水層中の触媒を回収再使用でき、有利である。ヘテロポリ酸の中ではH_3PW_<12>O_<40>が140℃という温和な条件で触媒機能を発揮した。アクリロニトリルとアルコールとの反応では、アルコールの種類によって有効な触媒が異なった。嵩高い1-アダマンタノールとの反応では大きな細孔を有するCs2.5塩が高い収率を与えるが、H-ZSM-5では反応分子が細孔内に入れないために反応は進行しない。一方、イソプロピルアルコールとの反応ではH-ZSM-5が特異的に高活性を示すことが見出された。これは細孔内の疎水的環境と細孔による反応分子の適正配列のためと結論した。
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[Publications] T.Yamada, T.Okuhara: "Hydroghobicity of Wates-tolerant solid Acids Characterized by Adsorptions of Water and Benzene"Langmuir. 16. 2321-2325 (2000)
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[Publications] K.Ohuyamaら計7名: "Water-tolerant catalysis of a silica-compsite of a sulfonic acid resin, Aciplex"Appl. Catal. A : General. 190. 253-260 (2000)
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[Publications] T.Okuhara, H.Watanabe T.Nishimura: "Microstructure of Cesium Hydrogen Salts of 12-Tungetophosphoric Acid Relevant to Novel Catalysis"Chem. of Mater.,. 12. 2230-2238 (2000)
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[Publications] X.Chen, H.Matsuda, T.Okuhara: "N-isopropyl acrylamide synthesis. from Acrylonitrile and Isopropyl alcohol"Stud.Sunf.Sci.Catal.. 130. 2657-2662 (2000)
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[Publications] T.Okuhara, X.Chen H.Matsude: "Catalytic Synthesis of N-alkylacylamide from Acrylonitrile and alcohol"Rppl. Catal. 200. 109-116 (2000)
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[Publications] T.Suguki, T.Okuhara: "Reaction Mechanism of Skeletal Isomerization"Chem. Selt. 2000. 490-491 (2000)