2001 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおける生物資源の持続可能な開発と土地利用計画
Project/Area Number |
11306023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 猛彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50134797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 信男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30012040)
飯塚 堯助 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30012074)
大賀 圭治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80302587)
川島 博之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30161318)
佐藤 雅俊 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90302588)
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Keywords | 世界食糧需給モデル / 土地利用変化 / 土地被覆データセット / 森林面積 / 農地面積 |
Research Abstract |
・バイオマス資源推定と用材需給予測 早成人工造林木の製紙用パルプ製造原料としての利用の可能性について引き続き検討を行っている。1年から5年の若年木は構造材としては低質だが、適切なパルプ製造条件を選択することで、充分に製紙原料になり、うることが分かった。これらの原料は中国最南部の海南島を中心に植栽されている。 また、早生樹種類の中からメラルーカについて、タイにおける資源量と利用技術、地域住民に適合した新たな利用可能性、材の成長や需要等に基づく最適な伐採・植裁時期の予測、材料・部材等の競合材料等との経済性比較、さらに、チップのセメントボード及びコンクリートブロックヘの適用性について検討した。一方、昨年度からの継続として、熱帯木材に代わって利用可能なケナフの木質ボードとしての有効利用技術に関する研究を実施した。 ・環境条件が園芸作物に与える影響の解析 トマトの花房分化節位に及ぼす温度の影響を調査したところ,高温時には培地の容積が小さいセルで育苗すると,ポットで育苗した場合に比べ,花房の分化する位置が1節程度上昇することが明らかとなった。したがって,熱帯地域でのトマトの育苗に際しては育苗時のポットの大きさに留意することが必要と思われた。 ・アジアにおける土地利用変化の予測分析 地球温暖化がアジアの食糧生産に及ぼす影響について、数理モデルを用い検討を加えた。これより、アジアの稲作地帯は温暖化に伴い洪水の被害により不安定化する可能性があること、インドなどでは早魃による不作の確率が上昇すること、また、現在の小麦作付け地帯は降雨量が増加することにより、耕作適地から外れる可能性があることを明らかにした。 ・アジアにおける侵食量分布の把握 全球データセットを用いた侵食ポテンシャルの解析結果と、実際の土壌侵食データ(GLASOD)の比較を通じて、実際の侵食度を決定する要因を広域レベルで比較検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山口綱士, 露木聡: "リモートセンシングとGISを利用したインドネシア東カリマンタン森林火災の被害評価"東京大学演習林報告. 106. 17-48 (2002)
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[Publications] 薛国新, 鄭建文, 松本雄二, 飯塚尭介: "プランテーション早成樹アカシアのパルプ化と漂白(第1報)化学組成とパルプ化特性"紙パルプ技協誌. 55巻(3). 366-372 (2001)
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[Publications] Okamoto K., Yokozawa M., H.Kawashima: "Pluses and minuses of climate change on major cereal cultivation in Asia"Ecosystem and Sustainable Development III. 79-88 (2001)
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[Publications] Yano, M., Sugiyama, N., Thunyarpar, T., Yamaki, T.: "Problems confronting longan growers in northern Thailand"Japanese Journal of Tropical Agriculture. 46(in press). (2002)
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[Publications] 佐藤雅俊, 石川優子: "バイオマスを用いた木質系ボードに関する研究(II)ケナフ等を用いたボードに関する基礎的研究"第51回日本木材学会大会. 255 (2001)
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[Publications] 執印康裕, 鈴木雅一, 太田猛彦: "全球データセットを用いた地球陸面の侵食ポテンシャルによる地域区分について"砂防学会誌. 54(2). 38-46 (2001)