1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11307032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 雄二 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40283759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大道 正英 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10283764)
神崎 徹 大阪大学, 医学部・附属病院, 講師 (00263278)
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Keywords | 臍帯オクルージョン / 低酸素脳障害 / 胎仔低血圧 / フリーラジカル |
Research Abstract |
母獣麻酔下に子宮切開を加え胎仔を取り出し、胸部皮下に心電電極を固定、羊水腔内、両側腋下動脈、両側腋下静脈にカテーテルを挿入しそれぞれ羊水圧、動脈圧、中心静脈圧をモニターした。また頸動脈に超音波血流系を固定し脳血流を測定した。さらに臍帯周囲にオクルーダーを留置した後閉腹し慢性実験モデルを作成した。 母獣および胎仔の回復を待って術後三日目に臍帯オクルージョン実験を行った。今回行ったオクルージョンは臍帯血流の部分遮断で、胎仔動脈血圧が20mmHg以下となるような低血圧を10分間持続した。臍帯オクルージョン解除後72時間後に胎仔を取り出し脳、腎臓、心臓及び肝臓の組織学的、生化学的検討を行った。 脳の低酸素脳障害の組織学的重症度はgrade1からgrade5の5段階に分類した。すなわちgrade1は白質の軽度の変化(空胞化や細胞の集簇)は認めるが灰白質は正常のもの、grade2は白質の中等度の変化はあるが灰白質は正常のもの、grade3は白質の重度の変化(白質の軟化、神経細胞壊死)と灰白質の軽度の変化を認めるもの、grade4は白質の重度の変化と灰白質の中等度の変化を認めるもの、grade5は白質、灰白質とも重度の変化を認めるものとした。 脳の組織学的重症度のgrade1と2を軽症脳障害、grade3、4、5を重症脳障害と分類し、これらの脳の組織学的障害の程度と1.各種生理的パラメーターとの関連性、2.各組織でのフリーラジカルによる細胞障害の指標となるTBARS(thiobarbituric acid-reactive substances)と障害を排除するSOD(superoxide dismutase)とGSH(gluthathione)の局所濃度との関連性、3.腎臓、心臓、肝臓の障害の関連性について検討した。
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