1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外マトリックスにおけるプロテオグライカンの代謝に関する研究
Project/Area Number |
11307040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
柳下 正樹 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (70132793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PODYMA Katarzyna Anna 東京医科歯科大学, 歯学部, 教務職員 (90302877)
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Keywords | 細胞外マトリックス / プロテオグライカン / ヘパラン硫酸 / 分解酵素 / ヘパラネース |
Research Abstract |
細胞外マトリックスは結合組織・支持組織の主要成分としての働きの他に、細胞を取り巻く環境として細胞の形態、発生、分化を初めとして様々な細胞代謝の調節因子でもある。プロテオグライカンは細胞外マトリックス中でコラーゲンと共に主要な構成成分として重要な働きをもっている。本研究ではヘパラン硫酸プロテオグライカンとその分解酵素であるヘパラネースに注目しその分解系の詳細な解析を試みる。 1.ラット副甲状腺細胞株(PTr)の大量培養からヘパラネースを抽出し、以下の項目3に述べた方法を用いて酵素を精製し、その酵素学的性質を精査した。 2.骨芽細胞(UMR-106)培養系を用いて放射能標識ヘパラン硫酸プロテオグライカンを精製し、ヘパラネースの基質とした。この基質の酵素的分解をゲルろ過クロマトグラフィー、限外膜ろ過法にて定量評価した。 3.上記項目1で得られたヘパラネースをヘパリンセファロース、Superose6、等電点電気泳動法などを用いて精製し、以下の項目4で述べる酵素学的解析、モノクロナル抗体、ポリクロナル抗体調製の際の抗原として用いた。 4.ヘパラネースの基質特異性を研究実施計画に従って解析した結果、この酵素の分解部位はヘパラン硫酸1本あたり2-3個所であり、特異的な硫酸化配列を必要とする。低硫酸化セグメントと高硫酸化セグメントの移行部を認識して切断する。酵素によって作られる断端の非還元側には低硫酸化構造の存在することが分かった。酸性から中性にわたって幅広いpH適合性を示すが、各pHにおける塩必要性が大きく異なる。さらに詳しいヘパラネースの酵素学的性質を次年度にわたって研究中である。 5.モノクロナル抗体、ポリクロナル抗体の調製を通法に従って行い、抗体の性質をウエスタンブロット法などを用いて現在精査中である。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Shibata, S.: "Histochemical localization of hyaluronan and versican in the rat molor dental pulp"Arch. Oral Biol.. 44. 373-376 (1999)
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[Publications] San Miguel, S.M.: "Tissue-nonspecific alkaline phosphatase expression and alkaline phosphatase activity following application of retinoic"Arch. Oral Biol.. 44. 861-869 (1999)
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[Publications] Goseki-Sone, M: "Expression of mRNA encoding tissue-nonspecific alkaline phosphatase in human dental Tissues"Calcif Tissue Int.. 64. 160-162 (1999)
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[Publications] Shibata, S.: "Isolation of proteoglycan (versican) aggregate from rat dental pulp"Arch.Oral Biol.. (印刷中). (2000)
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[Publications] 池田美子: "顎顔面領域発生の調節におけるヘパラン硫酸の関与"口腔病学会雑誌. 67(印刷中). (2000)
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[Publications] Kaneko, S.: "Occulusal hypofunction causes a decrease of proteoglycans in the rat periodontal ligament"J. Period. Res. (印刷中). (2000)
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[Publications] 柳下正樹: "最新骨粗鬆症"ライフサイエンス出版. 640 (1999)
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[Publications] Yanagishita,M.: "Proteoglycan Protocols : Current Methods and Applications"Humana Press(印刷中). (2000)
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[Publications] 柳下正樹: "基礎生化学実験法,第5巻"日本生化学会(印刷中). (2000)
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[Publications] 柳下正樹: "新歯学大事典"永末書店(印刷中). (2000)