レーザーの歯科保存領域への応用

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11307046
• Research Institution: Aichi-Gakuin University
• Principal Investigator: 千田 彰 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80097584)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 川浪 雅光 北海道大学, 歯学部, 助教授 (10133761) ; 渡辺 久 東京医科歯科大学, 大学院, 助教授 (40143606) ; 小林 一行 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70288116) ; 池見 宅司 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80102565) ; 中村 玄 昭和大学, 歯学部, 助教授 (90089417)
• Keywords: レーザー / レジン・象牙質接着 / 象牙質 / フッ素 / 感染根管 / 歯周組織 / 創傷治癒 / 歯髄

Research Abstract

保存修復領域では、千田はC02レーザーをリン酸カルシウム塩を用いて象牙質を強化する試みについて検討した。石丸はEr-YAGレーザーを照射した後の歯髄反応について観察した。田村は昨年より継続しトンネル窩洞の辺縁漏洩をメルコックス・ローダミン法により検討した。富士谷はEr-YAG及びC02レーザー処理象牙質は破壊されたコラーゲン繊維を含む無構造な層が形成されており、レジンの接着性を阻害する可能性を示唆した。川浪はNd-YAGレーザー照射とフッ素塗布を根面象牙質に応用した場合の表面形態、フッ素分布、耐酸性、細菌付着性および表面高度への影響を検討した。池見はC02レーザーとフッ化物と併用することで効果的にエナメル質の耐酸生を向上させると示唆した。川上はインレー窩洞形成に用いる新たなチゼル型チップの試作に成功した。
歯内療法領域では、小林は半導体レーザー照射における連続波と断続波による疼痛緩和効果の違いについて検索を行った。中村は昨年に引き続き、レーザーの歯質に対する透過性について特に根尖部や歯質に対し検討を加えた。子田はEr-YAGレーザーによる歯質蒸散形態を走査型共焦点顕微鏡を用いて三次元的に観察した。竹田はNd-YAGレーザーで根管内照射後、細菌培養検査を行い検討を加えた。
歯周治療への応用については、野口は薬物の局所投与の効果はレーザーのポケット内照射を併用することによって長期に維持することを明らかにした。渡辺は歯周治療後の象牙質知覚過敏症に対するEr-YAGレーザーの応用について検討を行った。宮澤は昨年に引き続きEr-YAGレーザーを用い歯肉創傷治癒および歯周組織再生に関する基礎的研究を行った。

Research Products

• [Publications] Watanabe.H, Kataoka.K, Ishikawa.I: "A novel laser cotact probe for periodontal treatment"SPIE. 4249. 15-21 (2001)
• [Publications] 青木章, 安藤嘉則, 渡辺久, 石川烈: "レーザーの歯周病罹患根面の処置への応用"日本レーザー歯学会誌. 12・2. 109-117 (2001)
• [Publications] 小林一行, 柳沢 隆, 山口博康: "墨汁塗布の有無によるNd-YAGレーザー照射の疼痛緩和効果"日本レーザー歯学会誌. 12・2. 69-73 (2001)
• [Publications] 山村博子, 川浪雅光: "露出根面象牙質の耐酸性におよぼすNd-YAGレーザー照射とフッ素塗布の影響"日本歯科保存学雑誌. 44・6. 979-991 (2001)
• [Publications] 小林一行, 柳沢 隆, 新井 高: "歯科用レーザー 21世紀の展望 パート1 表面麻酔としての応用"クインテッセンス出版. (2001)